“おこめ券”に賛否の声!? 米の価格高騰続く中…消費者やスーパーの反応は

2025年11月9日までにスーパーで販売されたコメの価格が5kg4316円と過去最高値を更新した。この状況を受け、政府が検討しているのが”おこめ券”の配布だ。おこめ券は家計の救世主となるのか?新潟市のスーパーでは、歓迎の声と困惑の声、両方が聞かれた。

コメが売れない…最高値でスーパーはため息

スーパーで販売されるコメの価格は、備蓄米が放出された2025年6月以降は一時的に下がったが、新米の流通を受け上昇に転じ、11月9日までの1週間の販売価格は5kgで4316円と、最高値を更新した。

新潟市西区の地域密着型スーパー『いちまん』でも、2025年11月現在、銘柄米の価格は5kgで5000円を超えるなど、これまでで最高値となっている。

高井栄二朗店長は「新米に入れ替わってから銘柄米の価格が5kgで1000円ちょっと値上がりした。それからパタッと売れ行きも止まっている状態」と嘆き節だ。

家計の救世主に?“おこめ券”配布検討

こうした中、政府は、物価高対策の一環として“おこめ券”の配布を検討している。

おこめ券

鈴木憲和農水相は11月14日の会見で「今の価格では買う量を減らさざるを得ないという皆さんに対して、少なからずいい影響があって、しっかりと買っていただける状況を作り出せると思う」と、おこめ券配布の意義を強調した。

歓迎と困惑…“おこめ券”にスーパー&消費者は

おこめ券の配布についてスーパー・いちまんの高井店長は、「お客さんにコメをたくさん買ってもらえるならありがたいが、配布が1回だけならその時しか効果がないのではないか」と冷静に受け止める。

スーパー いちまん 高井栄二朗 店長

買い物客からは様々な声が聞かれた。

女性客:
何でも券やお金で解決しようとしているのかなと思うところもあるが、子育て世代や年金で暮らしている方は助かるのかな。

女性客:
おこめ券はありがたい。食卓はご飯中心で動いているから。

女性客(農家):
コメの価格が高くなり、農家はやっと生産が見合うようになってきたのではないか。おこめ券を配るのは、家計が大変な人には良いこと。

中には、高騰しているのはコメだけではないとして、現金給付などであらゆる食品に対応した支援を望む人もいた。

女性客:
コメ以外にも使える形のほうがありがたい。

男性客:
現金ならちょっとしたおかずとか、ほかのものも買える。おこめ券はコメしか買えない。

“おこめ券”よりコメの適正価格を望む声

一方で、コメが適正価格となることを願う声も聞かれた。スーパー・いちまんの高井店長は、「銘柄米の値段自体が落ち着くことが一番。適正価格で流通するのが一番」と話す。

買い物客も「次世代の農家の方が納得できて、私たちにももう少し優しい値段にしていただけると助かる」とコメ売り場を見つめた。

“おこめ券”を配布するか、別の形で支援を行うかは各自治体の判断に委ねられることになるが、主食であるコメを安心して作り、安心して食べることができる政策は引き続き求められている。