ネーミングが話題のアスパラガス
飛田厚史アナウンサー：
新潟市北区の農園で育つ立派なアスパラガス。しかし、この農園では今、ちょっと曲がったものが注目され、ネットでも話題となっています
曲がったアスパラガス
ちょっと変わったアスパラガスを生産すると話題になっているのは、新潟市北区の「曽我農園」。
4月、この曲がったアスパラガスをTwitterに投稿すると、「ナイスアイデア」「優しい世界」といった反響が。その秘密は名前にあった。
Twitterで話題に
曽我農園 曽我新一 社長：
名前は「チンパラガス」
インパクト満点の名前だが、気になる由来は、まさか？
曽我農園 曽我新一 社長：
チンアナゴとアスパラガスをかけて、「チンパラガス」というふうにネーミングにした
「チンアナゴ」が名前の由来
曲がった穂先が水族館の人気者・チンアナゴに似ているため、チンパラガスと命名したところ、ネットで話題に。
曽我農園の直売所は4月28日も朝からにぎわい、開店わずか1時間足らずで完売となった。
客：
ユーモアがある。太くて料理もしやすくてよかった
客：
アスパラはおいしい。やわらかいし、上から下まで全部いただける
アイデアで規格外野菜を商品化！
みずみずしい食感と甘みが人気でリピーターも獲得しているチンパラガスだが、その誕生の背景には、農家の高齢化が大きく関わっていた。
曽我農園 曽我新一 社長：
高齢で農業をやめる方が多く、農業用ハウスを作ってくれというオファーが結構あった
曽我農園 曽我新一 社長
「空いた農地を活用してほしい」という要望を受け、本業のトマト栽培の傍ら、アスパラガスの生産を始めたが、こんな悩みが…
曽我農園 曽我新一 社長：
どうしても曲がったものが多くなってしまって、規格外品ということで安くなってしまう。ただ、アスパラガスの場合は、鮮度が命で形が悪くても味は変わらない
細かく湿度の管理などをすれば、アスパラガスをまっすぐに育てることができるというが、トマト栽培も忙しく、作業には限界が…
そこで、曲がってしまった規格外のものをチンパラガスと名付け、付加価値を付けることで、正規品と同じ価格での販売を実現した。いまや本家をしのぐ人気だとか。
曽我農園 曽我新一 社長：
「チンパラある？」と来られる方もたくさんいる
ネットの反響も「B品となってしまうものを上手く売るの好き」「食品ロス問題をチンパラが救う」と、良いこと尽くめ。
アイデア満載の曽我さん、実はすでに正規品と比べて、大きく育ちすぎたアスパラガスの商品化にも成功している。このときは…
曽我農園 曽我新一 社長：
エクスカリバーという聖剣
物語に登場する聖なる剣から命名し、こちらも話題となった。もちろん正規品と同じく、やわらかく甘い仕上がりと曽我さんは胸を張る。
曽我農園 曽我新一 社長：
来ていただいて、形を面白がってもらえればいいかなと思う
曽我農園はこのほか、本業のトマトでもヒット商品を生み出している。
味は非常に良いが、黒ずんだ部分が見えるトマト。
この黒い部分を、もともと善人だったスターウォーズのダースベイダーになぞらえて、「闇落ちトマト」と名付け、正規品を超える人気になったという。
アイデア一つでヒット商品を生み出す…、農業にも新たな時代がやってきているようだ。
