鳴き声の長さと美しさ競う”鳴き合わせ会”
「おやひこさま」として親しまれている新潟県の彌彦神社。2023年の大型連休は、各地から多くの参拝客が訪れた。
その境内の一角で開かれたのが、長鳴鶏の鳴き声の長さと美しさを競う「鳴き合わせ会」だ。
新型コロナウイルスの影響で、中止や規模の縮小を余儀なくされていたため、通常開催は4年ぶり。
新潟県産の天然記念物で日本三大長鳴鶏の一つ、「蜀鶏(とうまる)」など、13羽が出品された。
高齢化が進み、長鳴鶏の愛好家は減少傾向にあるという。その中にあって、鳴き合わせ会で人目を引いていたのは、新潟市の小学5年生・田村あんさんだ。
生まれた頃から鶏と一緒の小学生
あんさんは、母親の晶子さんとともに蜀鶏の“ヨシオ”などを出品した。
もともと、晶子さんが産みたての卵の採取を目的に鶏を飼い始め、生き物としての魅力にはまった。
あんさん自身は、生まれた頃から親しんでおり、三輪車で鶏の周りをグルグル回る幼少期の姿はなんとも愛らしい。
現在は14羽の鶏と一緒に暮らしていて、あんさんにとっては、大切な家族だ。
田村あん さん:
普段は、餌とお水を替えたり、おうちの中で一緒に寝たりしている
(Q.鶏の魅力は?)
田村あん さん:
おっちょこちょいで、知らない人についていってしまうようなところ
ヨシオが長鳴きの舞台へ!結果は…
鳴き合わせ会を前に、シャンプーをしてきたというヨシオ。その羽は、黒と緑のグラデーションが美しく、とても柔らかだ。
舞台について、3分以内に鳴き始めないと失格となってしまう鳴き合わせ会。この日、なかなか鳴かなかったヨシオを、あんさんが再度、中央の舞台へ。
期待を込めて見つめていると…
ヨシオ:
コーーーーーーーーー
ヨシオが鳴いた!ヨシオはこの日の自己ベストである22秒を記録。
他の鶏の最長記録(27秒)には及ばなかったが、あんさんは少しうれしそう。
田村あん さん:
十分にやったと思う
この日の演技が認められ、ヨシオは「美声賞」と「長鳴賞」を受賞した。
将来は鶏の獣医師を目指しているあんさん。大きな夢を追いかけながら、ヨシオとの長鳴きの挑戦も続く。