【J1新潟】新監督に船越優蔵氏が就任!野澤氏・寺川氏とタッグで目指すJ1復帰への道「相手よりユニフォームが汚れているのが新潟」【会見全文】

サッカーアルビレックス新潟は9日、新たに監督に就任した船越優蔵氏の就任会見を開いた。船越新監督は「相手より多く走るということ。相手よりユニフォームが汚れているのが新潟。この部分はストロングポイントで変えてはいけない」と語り、J1復帰に向けて意気込んだ。会見全文を紹介する。

「アルビらしいサッカーを継承して進化させる」

野澤洋輔氏(次期社長):

今回、アルビレックス新潟の未来を切り開くにふさわしい監督をお迎えできたと思っております。多くの皆様がご存知かとは思いますけれども、船越さんは2002年から2006年までアルビレックス新潟でプレーをしまして、引退後も、アカデミーで指導をしていただき、クラブの基盤作りに大きな貢献をしていただいた方になります。トップチームの監督として帰ってきていただくことは、もちろん初めてですけれども、クラブの歴史、文化そして地域との関わりに深い理解があり、アルビらしい戦いを体現できる指導者だと確信をしております。

船越監督と共に、アルビレックス新潟の新しいスタートを切れることを心より楽しみにしております。最後になりますけれども、今シーズンも温かいご支援をいただき誠にありがとうございます。またサポーターの皆さんと、そしてパートナー企業の皆さんと共にまた来季、J1の舞台へ戻るべく、クラブ一丸となって挑戦していきたいと思っております。

船越新監督:

来シーズンから監督を務めさせていただくことになりました。船越優蔵です。先ほど野澤社長の方からご紹介をいただきましたが、私自身も選手としてもアルビレックス新潟でプレーさせてもらい、指導者の第一歩を踏み出したのもアルビレックス新潟で、非常に私のサッカー人生の中では大きなウェイトを占めているクラブの監督を務めさせていただけるということで、非常に責任感が出てきております。

またアルビレックス新潟らしいサッカーと、もちろんサッカーは進化しますので、それを継続しつつ、進化できるようにしたいと思いますので、是非皆さんご協力ご支援よろしくお願いいたします。

最近のアルビの印象は?

Q、オファーを受けたのはいつ頃で、その時の心境をまず教えてください。

船越新監督:

お話をいただいていたのは、確か11月に入ってからだと思っています。そこで正直なところは、今シーズンのアンダー世代のワールドカップが終わって、一度リセットしているところで、またサッカーとどういう形で向き合おうかというところだったので、まずは驚いたというのが心境です。その中でも、やはりお世話になったクラブが今苦しい状況だということももちろん知っていましたし、その中で声を掛けていただいて、そこから2~3週間は考えさせていただきました。

 

Q、先ほどのお話で、アルビのサッカー、プレースタイルを継承していくところも考えているとお話がありましたが、どんなクラブ、サッカーチームを目指したいですか?

戦術的なところ等々は、選手が決まってからじゃないとお伝えすることはできないですが、抽象的になりますけども、新潟らしくない選手、チームを目指して新潟らしくプレーすると言いますか。難しいかもしれないですけども、やはり新潟らしくプレーするっていうのが一番と、そうではない選手、そういう選手、個人も束ねていきたいです。

 

Q、新潟らしくない選手とは?

戦力の補強に関しては、寺川さんと連絡を取りながら、まだ詳細をお伝えすることはできないですけども、やはり新潟を調べると、真面目とか、忍耐強い、我慢強いとかそういうワードが出てきます。もちろんそういうプレーはしないといけないことは思っていますし、ただそうじゃなくて、もっと明るい、積極的で、もう個人でどんどんどんどん前に出てくるような選手と一緒にできたらなと思います。

 

Q、船越さんはプレイヤーとしても、そして指導者としてもアルビに在籍されていましたが、ここ最近のアルビの印象とそこからどう変えていきたいかなど教えてください。

ずっと見てきたわけではないので、細かいところは分かりかねますが、J1に昇格する戦い、もしくは今季の戦いを見ていると、やはりアルビレックス新潟のスタイルも変化していっているなというのをすごく感じていました。それと同時に、やはり変えてはいけないものもあると思うので、そこがちょっと薄れていっているなというところも、感じていました。

ただ、やっぱりサッカーの進歩と一緒で、変わっていくものだと思いますので、そういうものは、それをどんどん新しいものに進化していくことが必要かなと思っている中で、それが今季に関しては、うまく噛み合わなかったのかなとは思います。

 

Q、プレースタイルが最近すごく確立していると思うのですが、そのスタイルは変えるわけではなく、生かしながら進化させていくということでよろしいですか?

ポゼッションサッカーでいいますと、ポゼッション率でいうと、もちろんちょっとずつ落ちてきているかと思うのですけども、優勝した鹿島より今年は、53%ぐらいだったのかな?上で、ポゼッションサッカーできているなっていう風に思っています。ただ、やっぱり結果がついてこないっていうことが、それ以外の何かが欠けているなっていうところはあると思います。その部分をうまく融合させながら、もちろん良いものはやっぱり残すべきで絶対大事だと思いますし、それをさらに上げていく作業です。ただボール保持は目的としません。1つの手段になるということをお伝えします。

船越新監督を招聘した理由とオファーを受けた理由

Q、この2025年のシーズン、大幅に選手が入れ替わりましたが、新しい選手と前からアルビにいた選手、どう融合させていくのか思いはありますか?

来シーズンはゼロからできるので、そこは何も心配していません。

 

Q、プロクラブでの監督は初めてというところで、意気込みを教えてください。

私も、育成年代は長くやっていまして、サッカーなので、そんなに大きく変わる必要はないと思いますし、心配はしていないですし、不安はないですね。逆に、本当にプロサッカー選手として、1人の大人としてしっかり向き合うことが大事かなと思います。

 

Q、船越監督を招聘した理由は何ですか?

寺川強化部長:

一番は本当に船越監督のことをよく知っているというのが大きい部分で、本当に昔からコミュニケーション能力がすごく高い人っていうのは分かっていましたし、僕自身は彼に本当に色んな魅力を感じていますし、何か人を引き付けるものがある男なので、そういうところが一番大きいです。オファーをさせていただいて会話を重ねる中で、今年のアルビの戦い方も見ながら何が足りないのか、これはもっと必要だねっていう部分ですごく一致する事が大きかったというのが一番の理由です。

 

Q、かつてを知る3人が集結した、その辺りも含めて期待するところは何でしょうか?

野澤氏:

アルビレックス新潟を非常に理解してくれていることだと思いますので、そういった面も含めて、チームの持つ可能性、ここを最大限に引き出していただいて、アルビらしさを再構築してもらうことを期待しております。

 

Q、最初のオファーの質問の中で、2、3週間ほど考えたとおっしゃっていましたが、そのアルビを選んだ最終的な決め手というのはどこだったのか教えてください。

船越新監督:

今の状況、厳しい状況ということは前から知っていたんですけれども、改めて話をいただいて数試合見た時に、本当に厳しい状況、苦しい状況の中で声を掛けていただきました。選手としても指導者としてもこの地域に何か恩返しできることはないかと考えてみたら、こういう時だからこそ何か力になれるんじゃないかという風には思いました。なので、苦しいから俺がやるよ!って。お世話になったこの地域に対して、何か恩返ししたいなという思いです。

目指す監督像は?

Q、これまで世代別の監督・コーチを務める中で、若手の育成というところにも1つ大きな期待があるかと思いますが、比較的若手選手も多いこの新潟のクラブで、若手の育成といったところはいかがですか?

これは僕自身の考えですけども、サッカー選手は何歳になっても成長すると思っています。ただ、やはり試合に出ないと、成長スピードが上がらないというのはずっと見てきて思っています。なので、若手だからベテランだからというので分けることではなくて、日々の中で本当にアピールしてくれるのか、可能性を感じさせてくれるのかというところが一番大事になってくると思います。なので、掴み取ってほしい。ポジションも自分で勝ち取ってほしいなという風には思います。

 

Q、目指す監督像というものがあれば教えてください。

いろんな監督さんを知っていますし、話をしますけども、憧れる人はいっぱいいますけども、真似はできないので。自分らしく、不器用ですけど、本当に選手と本気でぶつかり合って、コミュニケーションを取りながら、揉まれながら、やっていきたいなと思っております。

 

Q、先ほどの話の中で、変えてはいけないものもあるかというような話がありました。船越監督の中で、変えてはいけない部分にどんなところがあるのか教えてください。

相手より多く走るということ。相手よりユニフォームが汚れているのが新潟。僕はそういうイメージです。そういうところは、変えてはいけないのかなっていう。これはアルビレックスの特徴かな、もしくはストロングポイントかな。それに、枝葉をつけていくというのが、このクラブに合っているかと思います。最終戦、FC東京戦なんて、まさに僕は個人的には素晴らしい試合だったなと思っています。そういう部分が出ていた試合だったと思うので、ポテンシャルはあるんだなというのも感じました。

 

Q育成年代の日本代表の監督経験も豊富だと思います。その中で特に指揮を執る中で大事にしてきた部分は何でしょうか?

采配する中では、ゲーム状況があるので、それは試合によっては違いますけど、選手とかスタッフと向き合うという意味では、正直であること、嘘をつかないこと、本気で伝えることというところは常に意識しております。

 

Q、今回Jリーグトップチームの監督経験のない船越新監督を選んだ寺川さんの哲学とは?

寺川強化部長:

特に哲学とかそんな持ってないんですけど、Jリーグ監督の経験がない人を選んでるっていう、そこのこだわりは別に持っているわけじゃないです。ただ、本当にこういう言い方したらあれですけども、この男に任せたいというのが一番です。

選手・ユース監督も…アルビレックス新潟への思い

Q、非常に若いタレントを育てて来られたと思いますが、選手個々の力であったり、個性であったりを伸ばすために、意識されたり、心がけていることは?

船越新監督:

特効薬はないと思います。これがあれば絶対に伸びることはないと思うので。ただやっぱり本当にしっかり見ること、選手を見てあげること。これは、僕の哲学ですけども、ダメなことはしっかり言うこと、はっきり言うことは若い選手にとっては一番大事なのかなと思います。

 

Q,来季に向けてのコーチングスタッフっていうのが、今動いている最中だと思いますが、リクエストしている部分はどんなところですか?

それはまだちょっと契約ごとなので、詳細にお伝えすることはできないですが、やっぱり一緒の志を持ったスタッフをお願いしています。

 

Q、 来シーズン少しイレギュラーなリーグになりますけれども、昇降格がないという部分で色んなチャレンジもできると思います。その辺りどんなお考えでしょうか?

誰もまだ経験したことのない百年構想リーグ。なので、それをどう使うかというのは今後スタッフ含めてクラブとも話し合っていかないといけないかなと思っています。今の時点で思っているのは、公式戦、準公式戦の中でプレーの基準をしっかり与える。その基準を持った中で、2026年、2027年シーズンに行けるかなと思います。

 

Q、改めてこのアルビレックス新潟はどうどんなチームだと思っていらっしゃるか、それと合わせてサポーターにどんな姿を見せたいかという点をお聞かせください。

アルビレックス新潟というのは本当に地域と共に、サポーターと共に成長してきたクラブだと思っています。サポーターがどういうものを求めているのかというところで言うと、やはりひたむきに戦う姿勢とか、本当に絶対諦めない姿とか。こういうところにサポーターがついてきてくれていると思いますので、そこは、絶対変えてはいけないところ、変えるべきではないストロングポイントだと。これを土台にしっかりと持ちながら、新しいものを積み上げていくということが大事だと思います。サポーターの皆さんに聞くと新潟県の中でアルビレックス新潟の認知度というのは95%以上あると。大体200万人の中でスタジアムには2万人が入ってくれる。この1%というのは本当に大きな力。だからこそアルビレックス新潟が来年30周年を迎えられる。ともに歩んでいくというところは意識してやっていきたいです。

監督として戦う覚悟

Q、来季はJ2で戦うことになりますけども、クラブとしてどんな可能性があると考えていらっしゃいますか?

可能性は無限大にあると思います。

 

Q、これまで育成年代の監督としてやられてきたと思うのですが、ご自身はどんな強みがあると思っているか、自分ならどんなチームにできると考えているか聞かせてください。

自己評価はできませんが、真摯に向き合う、サッカーに向き合う、選手と向き合うということは、自分の強みだと思っていますし、JFAで代表チームを長くやらせてもらったので、常に新しい世界のサッカーを見ながら新しいものを取り入れるというところも、自分の強みだとは思っています。

 

Q、20数年前に選手として新潟に来た時の覚悟と、また監督としてこの地で、同じようにJ2で戦う、その時の覚悟の違いみたいなものはありますか?

覚悟は変わらないですが、やっぱり立場が違う。選手と監督、もしくはスタッフ、これは別物だと思っています。選手の時は俺が俺が、もう俺がよければ良いというような感じ。でも、やっぱりスタッフとして監督となると「我々」に変わってくるので、そういう意味ではより大きな覚悟を持って、臨みたいなと思います。

 

Q、野澤さん、寺川さんとこういう形でアルビレックス新潟を支えるというのはどんな気持ちですか?

正直、皆さん僕がいた時は知らないでしょうけども、まさかこういう形で仕事をするとは思っていなかったですし、野澤社長も寺川さんも頻繁に連絡を取っているかというとほとんど取ってない仲です。試合で会ったら、「元気?」というような仲。でもそれがまた一緒にできるということは、運命なのかなと感じていますし、だからこそ、偶然ではないのかなと思います。

 

Q、寺川さんが総括会見で、今シーズンのアルビについて、強度の部分、球際、スピードなどそういったところで、ちょっと足りない部分があったというようなお話をしていました。来季アルビで指揮を執るにあたってこの辺りのところをどうやって強化していこうと考えているか教えてください。

強度とか、球際とかスピード。これは現代サッカーには切っても切り離せないものだと思っています。そこは今のアルビレックス新潟に無いというわけではないと思うんですね。最終戦を見てもあると思ったので、それをさらに強くするというところが、この2月からのキャンプでやらなきゃいけないことになります。それが出来上がると、元々持っているものがさらに良くなるのかなという風には思っています。元々持っているものを生かすためにも、そういう土台みたいなところは、しっかりしないといけないということですね。

勝てる集団にするために大切なことは?

Q、来シーズンはJ2、J3のチームと戦うわけです。そのJ1との違いというのはどんな風に感じますか?

全て見ているわけじゃないので、的確に答えられるか分からないのですけども、やはり、圧倒的な個というのは、J1の方が外国人選手含めてレベルが高い。組織だけじゃ守れない、もしくは組織だけ、コンビネーションだけで点を取るのではなくて個人で取ってしまう。そういう選手が多いのが、J1かなと思います。

 

Q、今シーズン残念ながらチームは4勝しかできず、半年ほど勝てないままシーズンが終わってしまいました。チームも自信をなくしているという雰囲気もあると思いますが、まずは選手にどんなことを伝えていきたいか、勝てる集団にするために、お考えを聞かせてください。

おっしゃる通り本当に、残念ながら勝てなくてシーズンが変わってしまったので、ここはもう1回リフレッシュしてまた新たな戦いだというところは、選手に伝えていこうかなと思っています。やはり自信を持ってほしいっていうことと、勇気というのは、持ってほしいと思います。

 

Q、来季に向けての選手編成について

寺川強化部長:

本当に大事なところは、いつも言っていますけども、走って戦える選手です。もうそれが最低限ないと難しいと思っていますし、編成部分では色々話しますけど、なかなか今ここでどうこうは言えないです。そこは一番大事な部分かなというのはあります。

 

Q、現役時代、船越選手とは一番距離が遠いことがほとんどだったと思いますが、ピッチの上ではどんな選手でしたか、印象は?

野澤氏:

味方の時はもちろん一番遠くにはいるんですけれども、やはり船越さんが先頭に立って、ゲームの中で我々の方向性を見せてくれていましたし、逆に対戦もしたことがあるので、対戦するとめっちゃでかいし、本当に脅威を感じたなという風に思います。本当に我々3人、20年前に一緒にプレーをして厳しい時代を乗り越えたし、寝食を共にして苦しいトレーニングをしたというそういった心の繋がりがあったからこそ、ここにまたこういう形で集まったのだなという風に思います。ただ、何回かお話をさせてもらっている中で、やはり勝利のために、クラブのためにお互いを尊重しながら、しっかりと意見を交換していこうと。時には厳しいこともしっかり言い合って、なあなあではダメだというところは、我々話をしてきていますので、本当に結果にこだわって、結果にこだわるからこそ生まれてくるものがあると思いますので、そういったところを本当に理解してくれています。

思う存分、船越大暴れしてほしいなと。アキレス腱だけは気を付けてください。

 

Q、一度この、監督のオファーを受けて2、3週間ぐらい迷ったという話のところで、何を迷っていらっしゃったのかなということをお伺いできますか?

船越新監督:

まず、他にも話をいただいていたというところもあります。そことちょっと迷っていたというのと、あと本当に自分がこの話を受けるのにふさわしいタイミングなのか、その覚悟が自分にあるのかというところを、自問自答した時間でした。

 

Q、その上で、自分にはそういう覚悟を持って、少なくとも1年半ぐらいは戦えるだろうなという風に決意されたっていうことですか?

少なくとも1年半とおっしゃいますけども、プロの監督なのでダメだったらすぐクビを切られるというところもありますし、それは2人(野澤氏・寺川強化部長)にも話をして、ダメだと思ったらもうすぐに言ってくださいという話はしています。なので、1年半とか、3年というのはもう考えていません。

J1復帰の難しさは痛感

Q、J2で勝ち抜く難しさ、J1昇格をすることの難しさというのはどのように感じていらっしゃいますか?

相当難しいと思っています。J2のチーム、来年から加わるチームも含めて、あと経験豊富な監督さん達もいて、本当に群雄割拠という言葉がふさわしい本当に本当に厳しいリーグだと思います。残念ながらアルビレックス新潟は、来シーズンJ2で元J1のチームだろっていう見られ方をするかもしれない。皆さんももしかしたらそう思われているかもしれないですけど、そんなに甘くない。覚悟して、しっかり準備しないといけないなと思います。

 

Q、新潟に来られたのは久しぶりですか?

夏、ワールドカップに行く前に一度視察でビッグスワンには来させていただきました。おととし代表戦があった時もここで試合をさせてもらっていたので、1年に1回ぐらいは新潟に来ています。駅の方はもう全然分からなくて、万代口の方はもう全然分からなくて変わっていました。懐かしい感じはしますけども、そこまでプライベートではないので、色々回るというのができてないのが現状です。

 

Q、どういうところを進化させていきたいですか?

まずクラブとしても、もっともっと大きくなっていかないといけない。そのためにはやっぱり勝たないといけないというところが、1つ。勝つためには、大事にしないといけないものもある。そこはやはり持ちながら本当に現代サッカーにあるような、必要とされる部分は落とし込んでいくべきなのだと思います。新潟は本当に街と一緒に、サポーターと一緒に、成長しているクラブなので、そういうロジックの面と情熱的な面がお互い重なって始めて進化になるのかなと思います。

 

Q、寺川さんとのお話で、足りない部分が一致したという話がありましたが、その辺りはどのように共有されたのか教えてください。

話をいただいた時に、僕も数試合見た時にはやはり今おっしゃられていた戦うところ、走るというところは、無いわけじゃないんですね。持っているけどもそれを表現するのが今シーズン通してはできなかった。ただそれは最終戦の試合を見ると、やはりそういうのがすごく見えたので、可能性はあると感じています。

 

Q、この男に任せたいという思いを語ってくださいましたけども、特にこの部分に注目したという、いろんな方々がいる中で多分船越さんこの部分を評価した、できたという理由をもう少し詳しく教えていただきたいです。

寺川強化部長:

詳しくなるか分からないですが、周りを取り込めるというか、しっかりコミュニケーションを取りながら自分に目を向けさせるというか、引きつけるっていう部分をすごく僕自身、監督は持っていると思います。体が大きい、目立つという部分もあると思いますけども、そういうのも含めて本当にこの男は魅力のある人だと思っているので、ちょっと言い過ぎですけど。そういう部分も監督にはすごく大事な部分ですし、本当に監督ってボスなので。そのボスについて来いという姿を、また来シーズンのピッチの上で発揮してもらえたらなと思います。

 

Q、来シーズンの目標を聞いてもよろしいでしょうか?

船越新監督:

皆さん、やはり昇格という言葉を聞きたいと思いますが…もちろんそこは目指します。ただ、目の前の1戦、これをやはり本気で、執着心を持って戦う。この積み上げが、結果として昇格するとか、プレーオフにつながっていくと思うので、その目の前の一戦に全てをかけるという思いでやっていきたいです。

 

Q、監督に戻られてきて、野澤さんが社長という話を聞いてどうでしたか?

ああ。野澤さんか、と。でも、やはりずっと営業をやっていることは知っていたので、こういう人柄があるので、地域の人もうまく取り込んで、さらに上に行くためには、絶対野澤さんみたいな人が必要だなと思います。

 

Q、野澤さんから監督にどんなことをお願いしたいでしょうか?

野澤氏:

最初に言いましたけれども、アルビレックス新潟の、未来を切り開くふさわしい監督だと思います。今シーズンのチーム状況だったり、課題。それをしっかりと受け止めて来年に向けて改善し、それを力強く発信してくれる方の候補を、しっかりとあげながら、検討しておりましたけれども、過去にアルビレックス新潟でプレーをしたというサッカーの考え方だけではなくて、やはり人間性も含め、このチームを前に進めてくれるというところから、船越さんにお願いをしました。サポーターも待ってました!という方もいるのではないかと思いますので、またサポーターと一緒にJ1に向けて、一戦一戦戦ってくれたら嬉しいなと思います。

 

Q、船越新監督、この男は魅力がある人だとお話していましたけども、初めてのオファーだったのか、それとも何度かオファーをしていたということなのか、その辺りいかがですか?

寺川強化部長:

実はコーチとして入ってもらいたいというのは前にはありました。そのタイミングで代表の監督になったので、その時は話がなくなりましたけど、いつか僕がこの立場にいる時に彼には何かしら関わってもらいたいなとは思ってました。監督としては今回が初めてです。