「議論は福島から柏崎刈羽へ…」県”3つの検証”とりまとめ終了 原発再稼働議論本格化へ【新潟】

東京電力福島第一原発事故を巡る県独自の3つの検証の総括について、県が報告書を公表しました。およそ11年にわたる各検証結果について、花角知事は矛盾や齟齬がなかったとして、今後柏崎刈羽原発の再稼働議論を進めるとしています。
東京電力福島第一原発事故を巡る県独自の3つの検証の総括について、県が報告書を公表しました。およそ11年にわたる各検証結果について、花角知事は矛盾や齟齬がなかったとして、今後柏崎刈羽原発の再稼働議論を進めるとしています。

【花角知事】
「これで県独自の検証は1つ区切りがついて、議論もこれから福島ではなくて柏崎刈羽(原発)の議論を始める、その重要な材料が出来上がったと思う」

13日の会見で、福島第一原発事故を巡る県独自の3つの検証について各委員会の報告書に矛盾や齟齬がなかったと総括した花角知事。柏崎刈羽原発の再稼働議論を始めると明言しましたが、ここに至るまでには11年もの期間がかかっています。

【泉田元知事】
「検証なくして再稼働の議論はいたしませんし同意もいたしません」

2012年に当時の泉田知事が県の技術委員会に要請し始まった福島第一原発事故に関する県独自の検証。

【米山前知事】
「きちんとした検証をここでしないでいつするのか。時間をかけてじっくり検証していただければ」

続く米山知事は避難や健康、生活への影響も検証する必要があるとして新たに委員会を設置。事故の検証と合わせ3つの検証を総括する委員会も立ち上げました。

そして…

【花角知事】
「3つの検証を引継ぎ、検証を進めてまいります。その検証結果が示されない限り原発再稼働の議論を始めることはできないという姿勢を堅持してまいります」

2018年に就任した花角知事も継承し進められてきた3つの検証は、今年3月末までにすべての報告書が提出されていました。しかしその総括をめぐり検証総括委員会の池内了委員長と県の間で意見が対立。

【検証総括委員会 池内了委員長(当時)】
「知事との共通認識が持てないことが明らかになった段階で会議は全部ストップしている」

【花角知事】
「なんらか進展があると期待があったが変わらなかったということで、これからどうするか今後考えなければならない」

そして今年3月末で委員の任期が切れると、花角知事は委員会ではなく県が自ら総括を行うことを決定したのです。総括の結果を公表した13日の会見でも専門家の入らない総括の妥当性や客観性に問題がないか問われることに…

【花角知事】
「問題ないと思う。あくまでもコアは各報告書なのでその報告書の重なりや関連を整理したということであり、客観性とかいう議論とは次元が違う」

一方、検証総括委員会の池内元委員長は13日。

【池内委員長】
「(報告書を見ると)だいたい確認中とか検討中とか問い合わせ中というのが多くあって、これはやっぱり詰めた論点整理にはなっていない。そこまできちんと検証しなければならない」

それでも花角知事は今後、国の東電に対する検査の進捗や結果を踏まえ県民への説明会などを開き、再稼働の是非を議論していくとしています。

【花角知事】
「私1人の問題ということよりも県民の皆さんがどうお考えになっていくか、それは相互に影響し合うと思うし、どういう風に県民の意思が収れんするのか、場合によっては発散するのか県政のリーダーとしてしっかり見極めていく必要がある」

紆余曲折を経て取りまとめられた県独自の3つの検証。エネルギー情勢など日本を取り巻く環境が大きく変化する中、柏崎刈羽原発の再稼働議論が始まります。最終更新日:Wed, 13 Sep 2023 18:49:50 +0900