18日、湯沢町で散歩をしていた70代男性が藪の中にいた体長1mほどのクマに襲われ、腕をひっかかれる軽いけがをしました。県内でクマによるけが人が出たのは今年初めてで、県はクマ出没警戒注意報を発表しています。
春先から相次ぐクマの出没ですが、専門家によると、これから先の季節はさらなる警戒が必要だといいます。
19日に取材班が向かったのは長岡市越路地区に広がる林。野生動物の生態について調査する長岡技術科学大学の学生の案内のもと安全を確認しながら進んでいくと。
【長岡技術科学大学 鈴木凌斗さん】
「こちらがブナの木です」
Q花の付き具合はどうですか
「全然ついていないんですよね」
生えていたのはその実がクマのエサとなるブナです。しかし…
【記者リポート】
「ブナの実が豊作になる年はこの時期、花が見られるということですが、ほとんど確認することができません」
この時期、ブナは花が終わり秋に向け次第に実になっていくといいますが、実がなる様子は見られず。今年の秋は3年ぶりにブナの実が大凶作の予想となっているのです。
【長岡技術科学大学 山本麻希准教授】
「クマは冬眠の前にえさを食べて冬眠するんですけど、秋にたくさんブナが食べられないので、もっと出てきて人里近くのクリとかクルミとかについてしまうんじゃないかなと。今年はやばいと思います」
クマなどの生態に詳しい長岡技術科学大学の山本麻希准教授は、これからブナの代わりとなるエサを求めて人里に下りてくるクマがさらに増えると指摘します。そのため、山に近づく場合はクマに遭遇しないようクマ鈴など音の出るものを携帯してほしいと話します。
【長岡技術科学大学 山本麻希准教授】
「多くのクマとの接触事故はクマが人間に気づかずにバッタリ出会うというのがすごく大きいので音を出して、少なくともあそこに人間いるんだって分かってればほとんどのクマは来ないので」
それでも万が一クマに遭遇してしまった場合どのように身を守ればいいのでしょうか。山本准教授によると、大声を出したり走って逃げたりしてはいけないといいます。
【長岡技術科学大学 山本麻希准教授】
「クマを刺激すると自分がやられるんじゃないかと思って人間を襲うのでできれば興奮させない。最低限目とか顔やられてしまったり内臓だったり後頭部、これ一撃で死んでしまう場所なんです。そこだけでも守るようなことだけはしていただくと命が助かるので頭の隅に置いておいていただけたらと思います」
クマの出没が増えることが予想される今年の秋。身を守るための備えが求められます。最終更新日:Wed, 19 Jul 2023 18:37:04 +0900