【松村道子キャスター】
「トンネル工事のスタート地点となるのは新潟市中央区幸西。かつては新潟地方気象台があった場所です」
7月6日に行われた発進式で、ゆっくりと回り始めた掘削機『シールドマシン』。内径3.5mのトンネルを地中で掘り進める“巨大なモグラ”のようなマシンです。
シールドマシンは17日に本格稼働予定で、新潟市中央区幸西から新潟駅南の弁天線まで全長2.5kmのトンネルを掘っていきます。
約2年半をかけて地下20mまで堀り進めた縦穴を降りていくと…。
【松村道子キャスター】
「近くで見ると大きいですね。全長約7mの巨大なシールドマシン、前方にはたくさんの刃がついていて、地中を掘削していきます。そして、後方ではコンクリートの壁をつくっていくということです」
シールドマシンがつくるトンネルに雨水が集められ、新潟駅を中心に約5万人が生活するエリアにおいて、大雨による浸水被害を軽減させる計画です。
【新潟市東部地域下水道事務所 山口貴史 所長】
「気候変動で全国的にも災害が多発している。新潟市も(海抜)0m地帯が非常に多い地域。新潟駅周辺という都市機能が集積している地域の安心安全な暮らしを守るため、しっかりと事業を進めていきたい」
シールドマシンを使ったこの工法は、地上への影響が少ないという大きな利点があります。
【新潟市東部地域下水道事務所 山口貴史 所長】
「発進基地と到達基地の2か所を上から掘ることによって、長距離・急カーブのトンネルを工事できる利点がある。交通の影響などを最小限にできるメリットがある」
シールドマシンの中央の少しへこんだ部分が関節のような役割を果たし、曲がりながら進むことができるのです。
一日に10m地中を前進するシールドマシン。12年後の2035年には…。
【松村道子キャスター】
「トンネルを掘り始めた場所にポンプ場ができ、雨水は信濃川に流されます」
県都・新潟市の都市機能を大雨被害から守るこの大規模工事。
ポンプ場の建設費を除く最終事業費は、118億円と見込まれています。最終更新日:Thu, 06 Jul 2023 18:42:11 +0900