10月、新潟市の70代男性が約6000万円をだまし取られる特殊詐欺の被害に遭いました。ここで犯人が使用したのが、目に見えないお金“暗号資産”でした。インターネット上でやり取りできる、この“目に見えないお金”を使った詐欺は周囲が気づくことも難しいため、注意が必要です。
10月1日、新潟市秋葉区に住む70代男性のもとにかかってきた1本の電話。
【厚労省の職員を名乗る男】
「あなたの健康保険証が不正利用されている」
“厚生労働省の職員”を名乗る男はその後、“宮城県警の警察官”を名乗る男に電話を代わると…。
【宮城県警を名乗る男】
「捕まえた犯人がマネーロンダリングをしている可能性があることから、あなたの口座のお金の番号を確認しなければならないので、お金を送金してください」
その後も電話やビデオ通話などで男たちとやりとりを続けた男性。ここで男性が指示されたのが、目に見えないお金“暗号資産”の取引口座の開設です。
その後も男たちの指示に従った男性は1カ月ほどの間、計7回にわたり約6000万円分の暗号資産を指定先に送信し、だましとられてしまいました。
こうした目に見えないお金を悪用した詐欺が増え始めたと県警は指摘します。
【県警 生活安全企画課 齋藤浩志 安全安心推進室長】
「直接振り込んだりしなくても、ネットバンクを使ってお金を移されて、とられてしまうという手口が最近は見受けられる」
目に見えないお金はパソコンやスマホ上でやりとりができてしまうため、銀行などのATMで振り込まされたり、受け子に現金を取られたりするこれまでの詐欺の手口とは明らかに違う点が…。
【県警 生活安全企画課 齋藤浩志 安全安心推進室長】
「インターネット上のお金のやりとりというのは誰も止めてくれない。金融機関で下ろすのであれば、金融機関の人が止めてくれることもあるが、相手は詐欺師なので言葉巧みにだまされて引っかかってしまうことがある。お金に関する電話が来たら、詐欺を疑ってすぐ切る。出ないということが大事になってくる」