鼻で土を掘りながら暗闇に現れる動物。すると、もう1匹も後ろからついてきます。
9月9日未明、新潟市秋葉区の畑に現れたのは“イノシシ”です。
【農家 山崎久雄さん】
「これ、全部イノシシが掘り返して、荒らされているところ」
14日、イノシシの出た現場へ行ってみると、畑の近くは荒らされ、地中がむき出しの状態となっていました。
【農家 山崎久雄さん】
「土の中にいるミミズとか、虫を食べる。これは堆肥置き場だったけど、2年前は7頭、親を入れて8頭出てきた」
イノシシを撮影したのは、畑を管理する農家の山崎久雄さんです。
県内では例年、野生鳥獣による農作物の被害が多く発生していて、昨年度の被害額は約2億4000万円に上っています。
【農家 山崎久雄さん】
「この程度の網で、イノシシは中に入らない。7月10日に向こう側が掘り返されて、それで網を張ったけど、それからもうイノシシの被害はない」
山崎さんも畑が動物に荒らされたことから3年前にカメラを設置。映像から動物の行動などを確認し、対策をしてきましたが、被害は深刻化していると話します。
【農家 山崎久雄さん】
「いま、秋葉区はものすごくイノシシがあちこちに出没していて、大変な状況」
さらに…
【農家 山崎久雄さん】
「イノシシが一晩でやった。今までこんなに踏み倒されたことはなかった。今年は1頭じゃないから、広範囲になった」
山崎さんの知人の田んぼでは稲が踏み倒される被害が発生。設置したカメラにはイノシシが何度も現れる様子が映っていて、9月9日に稲刈りをしましたが、ほとんど収穫できませんでした。
【記者リポート】
「こちら収穫後のもみぬかの山ですが、へこんでいるところがたくさんみられます。これらはイノシシなどの足跡ということで、何匹も、そして何べんも田んぼに現れていることが分かります」
【農家 山崎久雄さん】
「これも食べられている。上の部分がもっとあるはずだけど短い。イノシシが食べた」
一方、田んぼに現れるのはイノシシだけではありません。暗闇に映っていたのは、大きなクマ。さらに別の日には複数のアライグマにキツネの親子まで…。
かわいらしくも見えますが、その数が増えれば被害につながりかねず、山崎さんは行政とも連携した対応が必要だと話します。
【農家 山崎久雄さん】
「このままいけば、他県と同じように『イノシシにかまれた』とか、そういう状況になってくる。そうならないように個体数を減らす。減らすには捕獲・駆除しかない」
県の誇る農産物をどのように守るのか…官民一体となった対策が求められています。最終更新日:Thu, 14 Sep 2023 18:44:52 +0900