復旧急ぐ新潟市 “液状化対策”実施は早くても2~3年後の見込み… 長期的な調査必要に

能登半島地震から1カ月あまりが過ぎ、早期の復旧が求められる中、新潟市は対策本部会議を開き、専門家と意見を交わしました。液状化対策については長期的な調査が必要として、対策を講じられるのは早くて2~3年後になる見込みです。
能登半島地震から1カ月あまりが過ぎ、早期の復旧が求められる中、新潟市は対策本部会議を開き、専門家と意見を交わしました。液状化対策については長期的な調査が必要として、対策を講じられるのは早くて2~3年後になる見込みです。

2月9日、新潟市役所で開かれた災害対策本部会議。

【新潟市 中原八一 市長】
「課題を把握し、今後被害を受けた皆さんへの不安の軽減や早期の住宅の再建につなげていければと考えている」

専門家や現地で復旧に当たる建築業界の代表などが参加した会議の議題は、これまでの災害対応について。

【新潟大学危機管理センター 田村圭子 教授】
「何が問題だったかというと、連絡調整に課題があったと思う。機動性を求められるが、それぞれ平時の考えで進めているので、なかなか連絡調整に苦慮されている」

災害からの復興に詳しい新潟大学危機管理センターの田村圭子教授は「対応のスピードに問題がある」と指摘。

今後、液状化対策など長期的な課題に取り組むためにも現場と行政をつなぐ新たな組織を設置する必要があると提言しました。

また、被災窓口で相談に乗る県建築士会新潟支部の鈴木淳副支部長は…

【県建築士会新潟支部 鈴木淳 副支部長】
「急いで直したい気持ちはあるけど、いま急いで直してしまうと、次の不具合を生む可能性があるので慎重になったほうがいい」

住宅レベルの地盤調査では土質までは分からないとして、今後の修正工事のため、市内の公共建築物のボーリング調査の結果を公表するよう求めました。

また、この日の会議では、新潟市が公共土木施設と宅地に関する液状化対策についての見通しを発表。

今年度中に液状化被害の状況を確認し、来年度から専門家の意見を踏まえた調査を行った上で対策を検討するとしていて、対策を講じられるのは早くても2~3年後になるとの認識を示しました。

【新潟市 中原八一 市長】
「短期での結論が出るものと長期にわたって調査をしないと結論が出ないものあると思うので、まずは被害を受けた皆さんに役立つ情報をできるだけ早く取りまとめていただきたいというのが私の要望」

現在示されている支援策の中には3月中の申請が必要なものもあるため、まずは罹災証明書を受け取り、窓口でどのような支援を受けられるか相談することも重要です。最終更新日:Fri, 09 Feb 2024 19:09:20 +0900