去年、猛暑や水不足の影響を受けた上越市のコメ農家からは落胆の声が聞かれました。
【コメ農家 中川卓夫さん】
「ちょうど一番出穂する、穂が出て稲に水が必要なときにちょうど干ばつにあった。それでコメの品質がどんどん落ちていって…」
去年のコメ作りについて振り返るのは、上越市牧区の棚田でコシヒカリなどを生産している中川卓夫さん。
現在は水が張られている田んぼも当時は猛暑と水不足により大きな被害が出ていました。
【記者リポート】
「こちらの田んぼ、一見、黄金色に見えるますが、近くで見ると完全に穂が実っていないのがわかります。その原因がこちら、田んぼのひび割れです」
水不足によりひび割れた田んぼでは稲に栄養が行き届かず品質は低下。コシヒカリの1等米比率は、過去最低となる5%に落ち込んでいました。
県などは食味には影響がないとPRしてきましたが、29日に発表された食味ランキングで10年連続「特A」の評価を受けていた上越地域のコシヒカリが「A」評価にランクダウン…食味への影響を避けることができませんでした。
【コメ農家 中川卓夫さん】
「やっと得意になって、上越(コシヒカリ)も全国に名が知られるようになっていたが、Aに下げられたということは本当にショック。やっぱり、案の定こうなってしまったなというのが一番つらい」
中川さんの頭を悩ませているのは、食味への評価だけでなく…
【コメ農家 中川卓夫さん】
「去年、復旧している最中にもう滑ってしまって」
ひび割れの修復時に発生した棚田の崩れです。
【コメ農家 中川卓夫さん】
「普通だと、もう諦めて田んぼを放棄するしかないが、私はどうしても元に戻したくて」
去年のコメの収量が例年の半分になり収入も落ち込む中、棚田の修復には100万円以上かかりますが、中川さんは代々受け継いできた棚田を守りたいと前を向きます。
【コメ農家 中川卓夫さん】
「コメの食味には本当に適している場所。だから、それをしっかり守って、またおいしいコメになるように今年も頑張っていきたい」最終更新日:Fri, 01 Mar 2024 19:13:13 +0900