拉致被害者の家族会などが岸田首相に手渡した新たな運動方針。
「全拉致被害者の即時一括帰国が実現するなら、日本が北朝鮮にかけている独自制裁を解除することに反対しない」というものです。
【岸田首相】
「なんとしても自分自身の手で拉致問題を解決する。そうした思いを強く持ちながら、一層、力を込めて取り組んでいきたいと考えている」
こう述べた岸田首相に対し、横田めぐみさんの弟で家族会の横田拓也代表は、新たな運動方針の決定に至る背景を強調しました。
【拉致被害者家族会 横田拓也 代表】
「個人の立場で北朝鮮への感情は怒り・憎しみ・敵対心・恨みしかない。それでも拉致被害者の親世代である有本明弘さんと(母)横田早紀江が自分たちの家族との再会を実現させることを優先させるために大きく方針を変えた次第」
一方、北朝鮮は今年に入り、金正恩総書記の妹・金与正副部長が岸田首相の訪朝の可能性に言及するなど、日本への発信を重ねています。
【横田早紀江さん】
「岸田首相と金正恩との間に今までと違った、もう少し緩やかな思いが重なっていくのかなという思いでちょっと希望を持っていた。本当に岸田首相の間に、必ずこのことは動かしていただきたい」
被害者と親世代との再会までに残された時間は少なく、焦りがにじむ中、家族は岸田首相の言葉に望みをかけています。
【拉致被害者家族会 横田拓也 代表】
「私たちの行間にある言葉の重みというか、心のつらさはしっかり受け止めたというような主旨のコメントをいただけたので、私たちの怒りの心情はこれからの外交に生かしていただけるのではないかと考えている」最終更新日:Tue, 05 Mar 2024 18:48:20 +0900