3月10日、新潟市中央区で多くの家族連れでにぎわっていたのは、東京の老舗メーカーが開いたランドセルの出張店舗。
【母親】
「いいじゃん。1年生ぽいね」
ランドセルを選んでいたのは、今年の春ではなく、来年の春、小学校に入学する子どもたちです。
選択肢が多いうちにお気に入りのものを選ぼうと、ランドセルを選ぶ活動、通称“ラン活”を始める時期が年々早まっていると言います。
【土屋鞄製造所 出張店舗課 諸橋美和 課長】
「一生に一度のお子様のランドセルになるので、たくさん選べるうちから色んなものを見せて決めたいという家族が増えている」
約40色ものランドセルが並んでいますが、その歴史を紐解くと…明治時代に軍隊用の“背のう”、今のリュックサックのようなバッグに学習品を入れたことが始まり。
この背のうがオランダ語で“ランセル”と呼ばれていたことから、ランドセルという言葉が生まれました。
1982年のデパートに並んでいたのは、黒と赤2色のランドセル。
当時の平均価格は約1万8000円で、同じ色でも違いがあるのか、じっくりと品定めをする人の姿も見られます。
2000年に入ると、色のバリエーションは増えましたが…
【ランドセル売り場担当者】
「奇をてらったよりは無難なものを、親やおじいちゃん・おばあちゃんが選ぶケースが多い」
やはり赤や黒が人気で、それ以外の色は少数派。色よりもランドセルの形で個性を出す人が多かったようです。
ちなみに平均価格は3万5000円でした。そこから、約20年…
【女の子】
「赤!」
【男の子の母親】
「緑かついでみる?」
【女の子の父親】
「見慣れてくると、この色(水色)いいなと思う」
赤や黒も人気ですが、令和のトレンドは淡い色!性別にとらわれず、子どもたちが好きな色を選ぶ時代に。
【男の子】
Q.何色にする?
「わかんない~。まだ迷ってるからさ~」
【父親】
「いま、色んな色がある。好きな色を選んほしいなと思ったが、いい色がいっぱいあって親も迷う」
一方、ランドセルに求められているのは色だけではありません。
【土屋鞄製造所 出張店舗課 諸橋美和 課長】
「タブレットなどをランドセルに入れる学校が増えているので、大容量で軽量のランドセルが人気の傾向となっている」
【母親】
「軽さは重視したい」
教材の変化によって、荷物がたくさん入る軽いランドセルを探す声が多く聞かれました。
また、ランドセルの平均価格は約5万8000円に変化しています。
【ランドセル担当者】
「6年間使うので、十分吟味してお選びいただくのがいいと思う」
【土屋鞄製造所 出張店舗課 諸橋美和 課長】
「ランドセルを選ぶということ自体が家族の思い出になるといいかなと思う」
価格や求められる機能は変わりましたが、ランドセルはいつの時代も新しく始まる子どもの小学校生活を応援する家族の思いが詰まっています。最終更新日:Tue, 12 Mar 2024 18:49:15 +0900