新潟県上越市で今年相次いだ建物の密集地での大規模火災。長屋など建物同士がつながる密集地域ではひとたび火が出ると、大規模な火災につながるケースが多く、地域住民は危機感を募らせています。
11月17日、上越市本町にある商店街で行われた消防訓練。一般住宅から出火した想定で行われ、消防署の関係者や地域住民など、約100人が参加しました。
この訓練の背景にあるのが、上越市本町で今年相次いだ大規模火災です。
10月20日には住宅や空き家など6棟が全焼し、男性1人が死亡。
【近所に住む人】
「急なことでびっくりした。いきなり一気に火が広がった」
今年2月と3月にも複数棟の建物が燃える火災が発生していました。
こうした本町の商店街のように、建物と建物が密接して立ち並ぶ区域では、消火活動も困難を極めると言います。
【上越南消防署 保坂達也 署長】
「住宅密集地特有の、1軒燃えると数件同時に燃えてしまうといった建物の構造上(の問題)。こういったことも今後、消防の方で消火方法を研究することが課題」
この日の訓練でも消防が延焼を抑えるための放水訓練を行ったほか、住民による初期消火や避難の訓練を実施。訓練の参加者から聞こえてきたのは、強い危機感でした。
【参加者】
「あすは我が身ではないが、そういうことを意識した。一つ一つの店舗の距離が短いので、注意しなければいけないと思う」
【本町5丁目町内会 大原壮一郎 会長】
「昔からの街並みなので、一度そこで火が出ると5軒~10軒すぐに燃えてしまう。非常にそこが気がかり。これから火を使う時期になるので、町内一丸となって防火に気をつけていきたい」
消防は「火災は地震などの災害と異なり、努力で防ぐことができる」として、防火意識の強化を呼びかけています。
【上越南消防署 保坂達也 署長】
「強い意志で火災予防に取り組むことに尽きる。冬にやりがちなストーブの上で洗濯物を乾かすといったことは絶対やめていただきたい」
暖房機器を使う機会が増える上に、これからは乾燥しやすい時期に入るため、建物の密集地にかぎらず、防火意識を持つことが重要です。
最終更新日:Tue, 19 Nov 2024 18:44:39 +0900