2021年11月に新潟市南区の自宅で29歳の妻と1歳の娘を殺害した罪などに問われている男の判決公判が新潟地裁で開かれ、男に「無期懲役」の判決が言い渡されました。
不倫継続のため…妻子を殺害 争点は「殺意」と「量刑」
殺人や殺人未遂、殺人予備、窃盗の4つの罪に問われていた、新潟市南区の元看護師・渡辺健被告（31）。
起訴状などによりますと、渡辺被告は2021年9月、当時勤務していた病院から塩化カリウム10本を、妻を殺害する目的で盗んだほか、11月7日には自宅で妻の春香さん（当時29歳）と娘の純ちゃん（当時1歳）の首をロープで絞め付け自殺を装い殺害した罪などに問われていました。
渡辺被告は、これまでの裁判で2人を殺害したことについては認めたものの、睡眠薬を混ぜた飲料を提供して交通事故を起こさせた殺人未遂事件と塩化カリウムを病院から盗んだ殺人予備・窃盗事件については殺意を否認。裁判では殺害時以前の「殺意の有無」や「量刑」が大きな争点となっていました。
無期懲役の判決「経緯や動機に酌むべき点は皆無」
検察側が無期懲役を求刑し、弁護側は有期刑を求める中、新潟地裁の小林謙介裁判長は、「被害者らには何の落ち度もない。経緯や動機に汲むべき点は皆無である。また看護師である被告人がその知識、技術及び立場を悪用し、各犯行に及んだことも強い非難に値する。本件に関しては有期懲役刑を選択すべきとは到底言えない」などとした上で、殺人未遂事件などの殺意も認め、渡辺被告に無期懲役の判決を言い渡しました。
また、小林裁判長は判決理由を説明した後、渡辺被告に対し、「あなたが奪った２人の命に一生をかけて償いをしてください。守るべき２人の命を奪ったことを忘れずに向き合い、亡くなった２人だけでなく関係者の無念さも考えてください」と諭しました。
弁護側は控訴するか、今後被告人と検討するとしています。
最終更新日:Fri, 22 Nov 2024 18:06:41 +0900
