客による理不尽な迷惑行為“カスタマーハラスメント”。社会問題化している“カスハラ”について、新潟市のタクシー会社が対策に乗り出しました。視覚に訴える対策で、さっそく効果が表れているようです。
信用調査会社東京商工リサーチによりますと、“カスタマーハラスメント”を受けたことがある企業は全体の約2割に。
業種別では、宿泊業、飲食店、タクシー・バスなど、旅客運送業の順で多くなっています。こうした中、新潟市のタクシー会社が“カスハラ対策”に乗り出しました。
【松村道子キャスター】
「エンジンがかかって…『防犯カメラ作動中』。電光掲示板なので、かなり目立ちます。視界に飛び込んでくるような表示です」
こちらのタクシー会社では、これまでステッカーで防犯カメラの存在を示し、カスハラの抑止につなげてきましたが、女性乗務員の車両に電光掲示板の設置を進めています。
【万代タクシー 木下幸治 業務課長】
「従来のステッカーだと、防犯カメラが付いていると何となく分かるお客様が多かった。より一層、周知を図るために、光って視覚に訴えるところで電光掲示板がいいのではないかと導入した」
乗務員となり、1年が過ぎたSさん。
【乗務員Sさん】
「(Q.カスハラに該当するような経験は?)夜の乗務をしている女性ドライバーはまだまだ少なく、お酒の入ったお客様が乗車と同時に『女のくせになんでこんな時間にいるんだ』と。悔しい。一生懸命、勤務を遂行しているので。あと、急に肩を叩かれたり」
さらには…
【乗務員Sさん】
「(乗務員が)女性というのは分かるが、『マスクを取ってくれるまで降りない』とか」
マスクを外した顔を見るまでタクシーから降りないという理不尽な要求も…。
こうしたカスハラに対し、電光掲示板の効果は?
【乗務員Sさん】
「効果はすごく感じている。(お客が)『なんだこれは』と(掲示板を)注視してくださるので、お客様の言葉遣いや言動が良くなったと思う」
会社がカスハラ対策を講じたことに感謝していると話すSさん。
一方で、アンケート調査では「カスハラ対策を講じていない」と回答した企業が全体の7割を超えているのが現状です。
【万代タクシー 木下幸治 業務課長】
「女性に限らず、安心して働ける環境づくりの手始めのような感じだが、全乗務員が安心して働けるように取り組んでいきたい」