今年8月に水泳の背泳ぎで日本一に輝いた小学5年生が新潟県内で活動している。わずか3か月でタイムを3秒以上も縮めたという小学生の強さの秘密とは?夢は「4年後のロス五輪」と話す期待の新星を取材した。
■今夏50m背泳ぎで日本一に「応援してくれた人に感謝」
新潟市西区のスイミングスクールで力強い泳ぎを見せていたのは、小学5年生の山崎然くん。
今年8月、東京で開かれた全国JOCジュニアオリンピックカップの10歳以下部門50m背泳ぎで見事優勝を果たした。
然くんは、「今まで一緒に応援してきてくれた人に感謝もして、”絶対に1位とるぞ”って気持ちでやった。日本一になれてとてもうれしかった」と振り返る。
■特長はキックの強さ そのウラには体の柔軟性が!
プールでの練習前には、自ら声を出し率先してウォーミングアップに励む然くん。
チームメイトは「小学2年生にも優しくしてくれている」「メニューがわからないところがあったら優しく教えてくれる」など、然くんの人柄について話してくれた。
そんな然くんの強さの一つが「体の柔らかさ」だ。
うつ伏せの状態でヒザを曲げ、足の外側を床に着けられるほどで、その態勢をキープしても全く痛さを感じないという。
この足の柔らかさが、水中でのキックの強さにつながり、推進力のある泳ぎが生まれるのだ。
■日本一目指して食事量↑筋トレ開始!するとタイムは3か月で3秒以上も短縮
ただ、スイミングスクールの渡部崇コーチは、この柔軟性に加えて然くんの向上心の高さが、本人の成長を後押ししていると話す。
「速くなりたいっていう気持ちを一番強く感じるのが然。本人のやる気を感じますしそこが強みなんじゃないかと」
一方、然くんも「春のジュニアオリンピックカップのときに全然良い記録が出せなかったので”次こそは絶対に金メダルとるぞ”っていう気持ちで、春から夏までずっと練習してきた」と話す。
日本一になるため、食事の量を増やしたほか、トレーニングもスタートさせた。
トレーニングは腕立て伏せ、腹筋、背筋をそれぞれ30回×3セットを毎日朝晩に行っているという。
すると、6月23日の大会では35秒40だったタイムが、2週間後の7月7日に行われたNST小学生水泳大会では33秒02と、2秒以上短縮。
そして、8月の全国大会では32秒02と、短い期間でタイムを驚異的に伸ばした。
■伸び盛りのスイマーが見据えるのは4年後のロス五輪「世界の選手と戦える体に」
日本一を手にした今、然くんが目指しているのが、4年後のロスオリンピックだ。
然くんは、「いっぱいご飯を食べて、すごく身長も伸ばして、世界の選手と戦える体にして、1位をとりたい」と意気込む。
まさに伸び盛りのスイマーは、世界一を見据え、きょうも練習に励む。