2020年に閉店した新潟市の新潟三越の跡地で計画されている地上37階建ての複合型タワーの再開発。新潟市が大幅に遅れる見込みであると明らかにしたことを受け、新潟市議会の常任委員会では、「見通しが甘かったのでは」など市議が市を追及する場面も見られた。市の幹部から「緊急事態」との声も上がる中、果たして再開発事業の行方は…
■「対応可能業者が0」で計画に遅れ
旧新潟三越跡地では、商業施設やオフィスマンションが入る地下1階・地上37階建ての高層タワーの建設が計画されている。
しかし、地権者などからなる準備組合が設定したスケジュールで、この規模の建物が建てられるかを23の業者にヒアリングしたところ、対応が可能な業者がおらず、事業計画の作成に遅れが発生しているのだ。
■「見通しが甘いのでは」市議から追及の声
市議会の常任委員会では、市議から準備組合に対する不安の声や市の責任を追及する声があがった。
内山航 市議:
遅れてはいるけども、ちゃんとやっていくんだと、そういう報告を組合からもらっているのか
小泉仲之 市議:
事業見込みが立たないということで、撤退をするなり、撤退を表明したなりという噂がいま飛んでいるが、実態として市は把握しているのか
武田勝利 市議:
昨年、記者発表も大々的にやって、実際フタを開けてみたら、工事をやる建設会社がいませんというのは見通しが甘い
石附幸子 市議:
新潟市は準備組合の対応を待っているように見える。ただ、市の補助金もかなり入っているこの再開発で期待もかなり大きいというのもあると思うが、新潟市がもっと関与できる方法はないのか
■市の幹部「緊急事態」
こうした声に対し、新潟市まちづくり推進課の高島康憲課長は「事業協力者として、我々とも協議をしているが、ともに前向きに協議していると私は感じている。事業としては、いま緊急事態のような形になっているので、いままで以上に準備組合とも協議して、行政のほうもできることがあれば支援していきたい」と答えるに留めた。
準備組合は今後、工事の開始時期・工期などを限定せずに再度、業者へのヒアリングを行うこととしている。
中心市街地の活性化の起爆剤と期待されている新潟三越跡地の再開発。その計画は早くも暗礁に乗り上げている。
最終更新日:Sat, 28 Dec 2024 10:00:00 +0900