4年前の記録的大雪では建物倒壊も…見た目で判断できない“雪の重さ” 屋根の雪下ろしには『雪おろシグナル』活用を!

4年前に新潟県上越市などを襲った記録的な大雪。このとき建物の倒壊などで注目されたのが“雪の重さ”です。

4年前に新潟県上越市などを襲った記録的な大雪。このとき建物の倒壊などで注目されたのが“雪の重さ”です。

■雪の重みで倒壊する建物も…上越市など襲った記録的大雪

雪の重みで倒壊した建物(上越市・2021年)

平年の6倍の積雪を観測し、市民生活が麻痺した上越市高田地区を防災担当大臣が視察したのは今から4年前の1月14日。

【上越市の担当者】
「除雪が間に合わないという状況が発生した」

幹線道路の除雪を優先したため、市道などは雪に埋まり、車などの出入りができない状態に。

【除雪する人】
「1週間くらい出られていない」

屋根の雪下ろしをする業者の手も回らず、雪の重みで倒壊してしまう建物も。

【建物が倒壊した人】
「ものすごい音だった。全部持っていかれた」

このとき、上越市が高田地区で道路を通行止めにして屋根や雁木に積もった雪を落とす“一斉雪下ろし”を実施したのは、大臣の視察から9日後のこと…。

【業者】
「雪が締まっていて、見ての通り少しずつしか(スノーダンプが)刺さらない状況。もう少し早いほうがよかった」

【上越市民】
「もっと早く(一斉雪下ろし)してほしかった。疲れた」

時間が経ち、圧縮されたり、一度とけて再び凍ったりした雪は重たくなっていくため、注意が必要です。

今年も青森県などでは…

【記者リポート】
「お宅の敷地の中にある倉庫、めちゃくちゃ壊れています。傾いて、そして屋根も落ちてしまっています」

雪の重みで建物が倒壊する被害が相次いでいます。

降り積もる雪を放置すれば建物が倒壊する恐れが…では一体、屋根の雪下ろしはどのようなタイミングで実施すればいいのでしょうか?

■『雪おろシグナル』で雪下ろしのタイミングを判断!

雪の重さは時間と共に変化

「屋根の上に1m以上の雪が積もったら雪下ろしをしたほうがいい」とよく言われますが、雪の重さは時間と共に変化するため、見た目だけでは判断できません。

1立方メートル当たりの雪の重さで比較してみると、降り積もったばかりの新雪は50kg~150kgほどの重さとなります。

新たに降り積もった雪の重みで押し固められた“しまり雪”では、150kg以上に。一度とけた雪などの水分を含んでざらざらとした氷粒のような“ざらめ雪”では300kg~500kgほどの重さに達します。

しかし、雪の重さは見た目だけでは判断できません。

そこで、新潟大学と防災科学技術研究所が共同で開発したのが『雪おろシグナル』です。

積雪の深さや気温・風速などの観測データからその地域の雪の重さを算出。地図上に色分けして表示されています。

自分の住んでいる地域をクリックすると、その地域の重さが表示されるので、一般的な住宅では1平方メートルあたり300kg以上が雪下ろしを行う目安だということです。

ここで表示されているのは、一度も雪下ろしをしていない場合の数字ですが、雪下ろしをした日付を打ち込めば、その日以降の雪の重さも計算することが可能です。

まだまだ続く雪のシーズン、雪おろシグナルなどを活用し、計画的に雪下ろしをすることが重要と言えそうです。

最終更新日:Tue, 14 Jan 2025 18:41:12 +0900