知人男性を殺害し現金約120万円持ち去った男(72) 殺害認めるも「金をとる目的ではなかった」 初公判で起訴内容を一部否認

おととし、新潟県上越市で自営業の男性を殺害し、現金を持ち去った強盗殺人などの罪に問われている男の初公判が1月20日、新潟地裁で開かれました。男は、殺害などは認めたものの「金を奪う目的ではなかった」と起訴内容を一部否認しています。

おととし、新潟県上越市で自営業の男性を殺害し、現金を持ち去った強盗殺人などの罪に問われている男の初公判が1月20日、新潟地裁で開かれました。男は、殺害などは認めたものの「金を奪う目的ではなかった」と起訴内容を一部否認しています。

強盗殺人・住居侵入・窃盗の罪で起訴されているのは、長野県上田市の無職・小倉一夫被告(72)です。

起訴状などによりますと、小倉被告はおととし6月、上越市の中村礼治さんをハンマーで複数回殴って殺害し、現金約120万円の入ったバッグを持ち去ったほか、おととし4月にも中村さんの自宅に侵入し、現金約26万円を盗んだ罪に問われています。

1月20日に開かれた初公判で小倉被告は窃盗と住居侵入、中村さんの殺害については認めた一方で…

【小倉被告】
「ハンマーで殴ったが金を取る目的ではなかった」

強盗殺人については否認。

今回の裁判の争点となるのが、暴行を加えた際に金品を奪う意思があったのか、つまり強盗殺人の罪が成立するかどうか、そして“量刑”です。

検察側は冒頭陳述で小倉被告がおととし4月の窃盗事件で盗んだ現金を元妻への返済や滞納していた家賃の返済に充てるも足りず、金銭的に困窮していたと指摘。その上で…

【検察側】
「被告人は被害者を殺害して金品を強奪するため、持参したハンマーで複数回殴打した」

小倉被告は金銭を奪う狙いがあって暴行に及んだと主張しました。

これに対し、弁護側は日用品や偽のブランド品などを販売し、何とか生活していた小倉被告は中村さんの仕事が順調なことに嫉妬していたと説明。

強盗殺人事件の際には、中村さんに商品を売ろうと自宅で帰宅を待っていたと言いますが…

【弁護側】
「将来のことなどで自暴自棄になり、中村さんの自宅にあったハンマーで殺害した。金の入っている車の存在には殺害後に気付いた」

殺害しようと考えたのは中村さんの自宅に着いてからで、金を盗もうと思ったのは殺害後だったとして、強盗殺人罪ではなく殺人・窃盗罪が適用されるべきだと主張しました。

1月21日は被告人質問が行われ、判決は1月29日に言い渡される予定です。

最終更新日:Mon, 20 Jan 2025 18:38:46 +0900