日本時間の1月21日未明、アメリカの大統領就任式が行われ、ドナルドトランプ氏が第47代大統領に就任しました。トランプ氏が大統領に返り咲いたことで期待されるのが拉致問題の進展です。それを心から待ち望むのは横田めぐみさんの母・早紀江さん。89歳になるのを前に開かれた誕生日会での柔らかな表情とは裏腹に、娘との再会を願う思いは切迫感を伴うものとなっています。
■横田早紀江さん 2月4日で89歳に
拉致被害者、横田めぐみさんの母・早紀江さんが暮らす川崎市で先日開かれた「早紀江さんを励ます会」。
めぐみさんの同級生が開催したこの会で、2月4日に89歳の誕生日を迎える早紀江さんの誕生日が祝われました。
【横田早紀江さん】
「こんな年まで祝ってもらえるなんて思っていなかったけど、本当に90近くまで…」
集会などでは、力のかぎり声をあげる早紀江さんも、身近な人たちとの時間では柔らかな表情を見せていました。
【横田早紀江さん】
「やはり、一度めぐみちゃんを抱きしめてあげないといけないという思いがあるので、それが力になっていると思う。あまり年齢のことは、(髪の毛が)真っ白になっていくしか…どうしたら連れて帰ってあげられるだろうしか思っていない」
めぐみさんが北朝鮮に拉致された1977年以降、早紀江さんを支え続けた一人が、めぐみさんの親友、真保恵美子さんの母・節子さん(92)です。
早紀江さんと共に総理官邸に出向き救出を求めるなど活動を続けている恵美子さんは、早紀江さんと母・節子さんの関係は特別なものだと話します。
【真保恵美子さん】
「早紀江さんもつらいこと、人に言えないようなことも(母には)話している。2人で寄り添って、なんとかめぐみちゃんが帰ってくるまで頑張ろうと言い合って、寄り添って頑張っているので、お互い欠けたらボロボロになるのではないかと思っている。母にも元気でいてもらわないといけないと思っている」
■日本の政治家へ訴えることは…「これは最後のチャンス」
早紀江さんを支える人たちも年齢を重ね続ける中、前回の就任時に米朝首脳会談を実現させたトランプ氏がアメリカ大統領に返り咲いたことで拉致問題に新たな動きがみられることが期待されています。
その一方で、早紀江さんは日本の政治家にこの問題を動かしてほしいと静かに訴えました。
【横田早紀江さん】
「もう、これは最後のチャンスではないかと思うくらい切羽詰まってきたなという感じがあるので、本当に皆さん、政治家の方、1人くらい、さすがにあの人やってくれたなという人に残ってほしい。それを本当に切望している」