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いよいよ2月15日に明治安田J1リーグの開幕戦を迎えるアルビレックス新潟。
今回は、今季のJリーグのポイント、そして背番号が変わり心機一転、飛躍を誓う3人の選手へのインタビューをお伝えする。
■例年より1週早い開幕
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2月5日から開幕戦前日の14日まで3次キャンプ地の高知県で最終調整を行っているアルビ。
樹森新監督のもと、ボールを奪いに行く守備、攻守の切り替えの速さ、ゴール前での仕掛けなど宮崎キャンプで戦術の落とし込みは完了。
高知キャンプでは選手同士の連携や最後の細かい部分の詰めなどを行っている。
樹森監督も「選手たちにギアを上げていこうと話をしたので、さらに1段も2段も上げて、開幕に向けていい準備の期間にしたい」と話し、チームの完成を急いでいる。
この理由について、クラブOBで現在はアルビレックス新潟営業部の野澤洋輔さんは「今年はJリーグの開幕自体が例年より1週間早いというところで、キャンプの仕上がり具合や進み具合が開幕にかなり影響する」と指摘する。
期間が短い中、守備などのチームの約束事の共有や選手同士のコミュニケーションがカギになるという。
■サブメンバーは7人→9人に拡大!スタメン争いも激化
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その一方で、今季からは試合の登録メンバーが20人になり、サブメンバーが7人から9人に枠が拡大される。
これについて、野澤さんは「試合展開のなかで、守備の選手を入れるのか攻撃の選手を入れるのかと、状況によるオプションが増えるし、監督も力を発揮しやすいと思う。また、選手にとっても、試合に出られるチャンスが非常に増えるので、チーム内の競争も激しくなるんじゃないか」と話す。
6年連続のキャプテンに就任した堀米悠斗も「僕自身もキャプテンとして試合に多く出続けなければならないと覚悟は持っているので、なりふりかまわずアピールしていく姿勢っていうのを見せられたらいい」と意気込んでいる。
■樹森監督のもと挑む昨季のリベンジ
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開幕に向けたスタメン争いが激化する中、太田修介、長谷川元希、稲村隼翔に話しを聞いた。
太田「このオフで”アルビって面白いサッカーするよね””見てて面白い”みたいなのはよく言われるんですけど”強い”とは言われなくて個人的にはそこが悔しかった」
長谷川「今まである程度自分がピッチの真ん中のポジションに立っていることが多かったんですけど、去年アルビに来てそれがあまり自分の中ではなかったので悔しい思いもした」
選手たちが口にしたのは昨季のリベンジだ。
アルビはリーグ戦38試合中勝利したのはわずか10試合で、最終節までJ1残留を決めることができなかった。
稲村「去年よりももっとゴールに対してアグレッシブにプレーする試合をしたいっていうのはすごく思っていて、ボールを回してきれいなサッカーっていうのも自分たちのスタイルではありますけど、それ以前にゴールをとって勝ちたいっていうのは強い」
長谷川「今年は1つでも多く勝てるように樹森監督らしいサッカーを、また新しいサッカーを見せられると思う」
新潟史上最高を目指す今季は、新たに樹森監督が就任し、よりスピードアップした攻撃を目指すほか、守備の構築に定評があり監督として高知ユナイテッドをJFLからJ3に昇格させた吉本岳史氏をヘッドコーチに迎えるなど、スタッフも大幅に入れ替わった。
長谷川「樹森監督はいろんな人の意見を取り入れているなってのは感じますね」
太田「スタッフもね役割分担じゃないけど任せることは任せてっていうのはあるよね」
稲村「一体感大事にしているなって印象はあります」
■今季変更の背番号に込めた思い
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チームの改革と時を同じくして、この3人の選手も昨季から背負う番号が変わった。
昨季、東洋大学に在学しながら特別指定選手として出場した際は45だった稲村は3で一桁を背負う。
稲村「入団の最初から1桁っていうのは期待されていると思ったので、よく考えましたけど、去年までトミー(トーマス・デン 現横浜FM)や千葉(和彦)さんもつけていた番号なので、それをつけさせてもらうっていうのが光栄だと思ったし、2人のように愛される選手になりたいと思っている」
太田「3いままでつけたことあるの?」
稲村「初めてです」
太田「4っていうイメージあるよね。東洋では?」
稲村「東洋ではずっと4で、高校でも4」
太田「じゃあ初めての3で新しい稲村を」
稲村「NEW稲村を見せます(笑)」
また、長谷川は、新潟へ移籍した際、背番号41を希望していた。
長谷川「期限付き移籍に出る前の藤田(和輝)がつけていて、レンタルバックがあるかもしれないので41をつけられないと言われました。最初13をつけてと言われたんですけど、それはすごく嫌で、14空いているんでつけたんですけど、試合のロッカーを見てもあんまりしっくりこなくて、自分に合っていないなと思って。今年、小島選手が移籍して藤田も1をつけられると思ったので41にしました。」
太田「(全所属の)甲府でも41だもんね。そのときはなんで?」
長谷川「(元日本代表で現川崎Fの)家長選手がそのとき好きでずっとつけたかったんですよね」
なじみのある背番号で飛躍を誓うのは、太田も同じだ。
アルビで2年間背負った11から町田時代の28に変更した。
太田選手:「11ってアタッカーからしたらすごく言い番号だし、かっこいいなとは思っていたんだけど、いい意味でこの2年間を忘れるというか、なかなかこの2年は俺にとっては苦しいというかなかなかうまくいかなかったなっていうのがあって。新しく挑戦するっていう意味を込めて番号を変えたいなと思っていて、番号変えると、ロッカーとか練習着とかも数字がついていてそれを見るたびに今年への決意じゃないけどそういったものがよみがえるかなって思っている」
■開幕戦は横浜FMと対戦!
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自身への期待やこれまでの悔しさなど、さまざまな思いを背番号に込めて戦う選手に今季の抱負を聞いた。
稲村「新潟から世界が今年の目標です。自分自身も海外への思いは強くありますし、年明けのタイミングの樹森さんのミーティングでもこの言葉があったので目指していきたい」
長谷川「僕は笑顔です。自分が楽しいプレーをしているとき調子いいし、ゴールもアシストもついてくると思うので、つらいときこそじゃないですけど、うまくいってるときもどんな状況でもこれを忘れずに1年間頑張ります」
太田「フルで貢献です。ケガせずにシーズン通して貢献するってことと、自分の持っているものをフルで見せられているとは思っていないので、とにかく自分を表現する。それがチームのためになると思うので」
アルビの開幕戦は2月15日(土)にアウェーで横浜F・マリノスと対戦。
スタメンはどのような顔ぶれになるのか、そして選ばれた選手がどんなパフォーマンスを発揮するのか、期待は高まるばかりだ。