

新潟県阿賀野市で提供されている寒い冬にピッタリの“鴨鍋定食”を紹介します。老舗旅館の看板メニューを引き継いだ冬限定の鴨鍋に体も心も温まります。
■老舗旅館の古き良き味を継ぐ御食事処

阿賀野市にある五頭山。その麓に店を構えるのが『五頭山麓御食事処 山清水』です。
昔は大正時代から続く出湯温泉の老舗旅館で、旅館のご飯をより多くの人に食べてもらいたいと27年前に御食事処をオープン。
今は和食をメインとして、うどんやそば・釜飯を提供するなど豊富な種類の和食グルメが楽しめます。
この日も老舗旅館の古き良き味を楽しみたいと、平日にも関わらず店内は満席。共同浴場や足湯を楽しんだあとのお客など、県内・県外からお客が詰めかける人気店です。
■幼少期に憧れた父の姿「老舗旅館の味を広めたい」

「旅館の庭にいるコイを生きたままさばき、活け造りにする姿を見て、かっこいいなと。小さいながらに父親のことを見ていた」と優しい笑顔で語るのは、店主の山崎陽介さん。
幼少時代、旅館時代から料理人を務めていた父・邦宏さんの姿に憧れ、料理人を目指しました。
邦宏さんが「旅館の料理をより多くの人に食べてもらいたい」と27年前に『山清水』をオープンした頃、陽介さんは調理を学び、市内の料亭やホテルで修行を積んでいました。
その後、18年ほど前に山清水の手伝いを始め、邦宏さんが亡くなってからは陽介さんが引き継ぎ、家族で切り盛りしています。

頑固なところがあったという邦宏さん。一緒に働いている際は、料理人として学んできたことも違うため、価値観の違いからぶつかることも多かったといいます。
しかし、亡くなったあとも地元の人が邦宏さんのつながりで食材を届け続けてくれているそうで、その偉大さを実感しているといいます。
「今は父が残してくれたものと、私がやってきたことを組み合わせて“今の”山清水を営業している」
■厳選食材使った『鴨鍋』 老舗旅館の味にこだわりをプラス!

そんな山清水の看板メニューは旅館の名物料理『鴨鍋』。
老舗旅館の昔ながらの味の良さを残しつつ、陽介さんの新しい改良を加えた、まさに“伝統×革新”の鴨鍋です。
鴨肉は岩手県産の合鴨を使用。陽介さんが日本全国から鴨肉を取り寄せ、たどり着いたこだわりの食材で、柔らかな身とほどよい弾力が癖になる味わいです。癖が少ないのが特徴で、苦手な人にもオススメです。

また、鍋に欠かせない豆腐には、地元・村杉温泉の川上豆腐を使用。「もともとおいしい豆腐だが、鴨のうまみを吸ってさらにおいしくなる」と陽介さんは話します。
だしは、長岡市の越のむらさきを使用。フルーティーな味わいのため、肉との相性が抜群!加えて、カツオだしを控えめにすることで合鴨の甘みがより際立つといいます。
寒さが深まるにつれて甘みが増すというネギは砂糖のように甘くてトロトロ。
冬になると身が引き締まり、うまみが増す鴨肉と熱々のだしをたっぷり染みこませた川上豆腐を口に入れると、体の芯までうまみが染み渡ります。
■最後は鴨・ネギのうまみ詰まった〆雑炊!

〆にはご飯やうどん・そばを入れることもでき、最後まで鴨のうまみを楽しめます。
鴨とネギの甘みが染み込んだだしで作る雑炊は、寒い冬にはたまらない、思わずホッと息をつきたくなるような味わいです。
山清水では、10月1日から3月31日まで冬季限定で鴨鍋定食を販売。ほかにも、新鮮な食材を使用した釜飯は9種類と豊富なメニューを楽しめます。
鴨鍋や釜飯はテイクアウトできるため、家で楽しむのもおすすめです。(事前予約可)
自然豊かな五頭山で楽しめる老舗旅館の古き良き味を受け継ぎながら進化し続ける鴨鍋は、体だけでなく心も温まる逸品です。
最終更新日:Tue, 04 Mar 2025 11:00:00 +0900