赤字続く新潟県立病院…松代病院“無床診療所化”へ方針説明 入院患者は十日町病院に集約「十分受け入れ可能」

新潟県は3月7日、県議会常任委員会で十日町市の県立松代病院について、来年にも入院機能を停止し、無床診療所とする方針を正式に示しました。県議からは地域医療体制のあり方を問う声があがりました。

新潟県は3月7日、県議会常任委員会で十日町市の県立松代病院について、来年にも入院機能を停止し、無床診療所とする方針を正式に示しました。県議からは地域医療体制のあり方を問う声があがりました。

7日に開かれた県議会厚生環境委員会。県病院局が大幅な赤字が続く県立病院の経営状況について説明しました。

【県病院局 金井健一 局長】
「医療提供体制は医療需要に比べ、過大なものになっていて、全国の公立病院と比べても厳しい状況となっている」

県によりますと、県立病院事業の今年度の決算は当初の見通しから、やや改善するものの、約40億円の赤字となる見込みです。

こうした中、示されたのは…

【県病院局担当者】
「松代病院については、令和8年4月の無床診療所化に向けて、ただいま調整を進めている」

十日町市の県立松代病院を来年4月に入院ベッドのない無床診療所とする方針です。

松代病院では昨年度、ベッド数39床に対し、一日当たりの入院患者は24.8人で、県の一般会計からの繰入金を除いた純損益は4億1200万円あまりの赤字でした。

無床診療所に移行した後は、県立十日町病院に入院機能を集約する考えです。

これに対し、県議からは地域医療体制について問う声があがりました。

【十日町市中魚沼選出 尾身孝昭 議員】
「松代病院の患者を受け入れる余裕、現在の十日町病院のベッドの空きなど、そういったものを聞かせてください」

【県病院局担当者】
「入院患者については、診療科・セラピスト・栄養士等が充実している十日町病院で集約して受け入れたほうが、早期の退院・在宅復帰につながる対処ができる。仮に入院患者を十日町病院に集約した場合でも、十分受け入れ可能と考えている」

また、県は松代病院の無床診療所への移行後も運営主体は県のままであると説明しました。

県は県立のほかのへき地病院でも機能や規模の適正化について来年度末までに方針を決めることにしていて、持続可能な医療体制の構築に向け、丁寧な議論が求められます。

最終更新日:Fri, 07 Mar 2025 18:47:45 +0900