
小泉農林水産大臣のもと、随意契約が進められてきた備蓄米の販売が早くも通販サイトなどで始まりました。価格は5kg2000円程度。これに対し、新潟県内の農家は「コメ離れの抑制につながる」と期待感を持ちつつも、今年産のコメの価格への影響を懸念しています。
■価格は2000円程度 通販サイトで“備蓄米”の販売スタート
5月29日、民間企業への受け渡しが始まった随意契約された備蓄米。
1万tのコメを契約した生活用品大手の『アイリスオーヤマ』の精米工場にも備蓄米が運び込まれ、精米作業が行われていました。そして午後には…
【齋藤正昂アナウンサー】
「こちらアイリスオーヤマの公式通販サイトでは、早くも政府備蓄米の販売が始まっています」
アイリスオーヤマのほか、楽天グループも通販サイトでの備蓄米の販売を始め、ともに29日の受け付けは早期に終了。どちらも販売価格は2000円程度となっていました。
【小泉 農林水産相】
「人件費の高騰などを踏まえたら、この2000円が生産者の方にとっての適正ではないと思う。しかし、今回、古い備蓄米を卸していく価格としては私は適正だと思う」
■農家は“米離れ抑制”に期待も「今年産の価格に跳ね返ってきたら…」
2000円という価格での備蓄米の販売について県内の農家は…
【コメ農家 堀井修さん】
「ありがたい話。コメ離れしたら困るから」
“消費者のコメ離れ”を防げると期待を抱きながらも、やはり懸念するのは今年収穫するコメの価格への影響です。
【コメ農家 堀井修さん】
「今までのものを放出するというのは私どもは別に。しかも(当時)安く買っているのだから、それでいいと思うけれども、それが今年の価格に跳ね返ってきたら農家はやめるしかない」
近年の物価上昇に伴いコメ作りに必要な資材の価格も高騰しているため、コメの売値もそれに伴い上げていかなければ農家は存続できないと危機感を募らせます。
【コメ農家 堀井修さん】
「我々にしてみれば、60kgあたり2万8000円でぜひいってもらいたいけど、ギリギリ2万5000円という線ならば、やめる人だらけになる」
堀井さんは店頭での価格は5kgあたり3000円台後半が適正だと消費者への理解を訴えます。
【コメ農家 堀井修さん】
「農村を守り、農家を守ってもらうためにはコメを食べていただければ」
備蓄米の価格を下げたあと、銘柄米などコメ全体の価格をどう落ち着かせていくのか。
【小泉 農林水産相】
「焦って買わなくとも選択肢は増える。購買行動の変化によって、結果、今まで持っていたところが市場に対して出していくという、こういったことが出てくれば私は間違いなく動きは出てくると思う」
県内でもスーパーを展開する長岡市の『アクシアルリテイリング』や魚沼市でコメの販売を行う『諸長』が備蓄米の契約を結ぶことが確定。
5月30日には中小のスーパーや町の米店向けの申し込みが始まる予定です。
最終更新日:Thu, 29 May 2025 18:41:28 +0900