スポーツ施設の老朽化進む新潟市 “アリーナ新設”提案に市議から質問相次ぐ「稼ぐ施設として取り組みを」「市民の活動縮小につながる」

新潟市のスポーツ施設の老朽化が課題となる中、白山エリアには球技専用スタジアムやアリーナの新設を有識者会議が提案しています。このスポーツ施設の再編について6月20日の市議会で質問が相次ぎました。
NST新潟総合テレビ

新潟市のスポーツ施設の老朽化が課題となる中、白山エリアには球技専用スタジアムやアリーナの新設を有識者会議が提案しています。このスポーツ施設の再編について6月20日の市議会で質問が相次ぎました。

■“老朽化”進む新潟市のスポーツ施設

陸上競技場や体育館といった市の体育施設が集まっている新潟市中央区の白山エリア。ともに1964年に開催された新潟国体の主要な会場となった歴史ある施設ですが…

【齋藤正昂アナウンサー】
「新潟市体育館。こちらの階段は老朽化し崩落する危険性があるということで、立ち入り禁止となっています」

竣工から60年以上が経過し、老朽化への対応が課題となる中、新潟市は“20年後を見据えたスポーツ施設のあり方”を検討しようと有識者会議を開催。

去年3月に、白山エリアではプロスポーツの公式戦やコンサートを開催できる球技専用スタジアムやアリーナに加えて、商業施設やオフィスなど複合的な機能を併せ持つ施設の新設が望ましいという内容の提言書が提出されています。

■スポーツ施設再編について質問相次ぐ

それから1年以上が経ち、20日の市議会ではその後の進捗について質問が相次ぎました。

【翔政会 山際務 議員】
「新潟市スポーツ施設の未来構想会議の提言を受けた内容についての検討状況は現時点でどのような形で進められているのか伺います」

【新潟市 中原八一 市長】
「この提言を受けて、6月からスポーツ施設再編に向けた基礎調査を実施し、民間事業者との意見交換を行う予定としている。必要に応じ来年度予算への対応も視野に、また、スケジュールも含め総合的に判断していく」

市は今年度予算で400万円を計上していた白山エリアの基礎調査を6月に開始すると説明。議員からは去年開業した長崎スタジアムシティなどを参考にした取り組みを求める声が上がりました。

【翔政会 山際務 議員】
「稼ぐ施設としてアリーナ等を整備し、交流人口の増加に向けた取り組みを行うべきと考えますが」

【新潟市 高田章子 文化スポーツ部長】
「本市の現状、および他都市の状況、議員ご提案の視点なども持ちながら検討を深めてまいります」

一方で…

【日本共産党新潟市議会議員団 野村紀子 議員】
「この白山エリアのアリーナ建設、興行施設としてのアリーナ建設はむしろ市民のスポーツ活動の縮小につながると考えますが、いかがでしょうか」

付近に複数の学校があり、駅やバス停が近く交通の利便性も高いエリアであることから、市民が気軽に利用できるスポーツ施設の必要性を訴える議員もいました。

【新潟市 高田章子 文化スポーツ部長】
「現在の利用状況や市民のニーズなどを十分に精査し、基礎調査の結果を踏まえ、総合的に判断してまいります」

また、新潟市は同じ場所での建て替えを予定している鳥屋野運動公園野球場については今年度中に施設の基本計画をまとめることにしています。

新潟市にスポーツ施設はどのように再編されていくのか。今後の動向が注目されます。

最終更新日:Fri, 20 Jun 2025 19:19:42 +0900