【渇水】2年前は農業への被害拡大…塩水の遡上防止へ“信濃川の水門”一部閉鎖 教訓生かし対策進む 新潟

いま、新潟県内で対策が求められている渇水。渇水により農作物などに大きな被害を出したおととしの教訓を生かし、対応が進められています。
NST新潟総合テレビ

いま、新潟県内で対策が求められている渇水。渇水により農作物などに大きな被害を出したおととしの教訓を生かし、対応が進められています。

田んぼのひび割れなど高温少雨の影響が出始めている県内。渇水被害の広がりに懸念が高まる中…

【花角知事】
「2年前の経験をもとに、肥料を施すタイミング等についても技術的なサポートは関係団体と一緒にやっているところ。影響が出ないように何とか乗り越えていきたい」

おととしも渇水に見舞われた県内。コシヒカリの一等米比率が過去最低を記録するなど農業への大きな被害が出ました。さらに…

【記者リポート】
「堤防をはさんで内陸側は黄金色に色づき始めた田園風景が広がっていますが、川岸のほうを見てみると、あたり一面茶色く、収穫前とは思えない田んぼとなっています」

このときは川の水が減り、海水が逆流して田んぼに流れ込み、稲が枯れる塩害も発生していました。そして、今年も…

【記者リポート】
「少雨の影響で海水が遡上してきているということで、7月30日は3つあるゲートのうち、2つを閉めるということです」

【信濃川下流河川事務所 松崎竹史 副所長】
「本日、今の時点においても信濃川の水門で塩水の遡上が確認されている」

このまま海水が流れ込み続けると、生活用水への影響が出る恐れがあったため信濃川の水門の一部を閉めることに。

【信濃川下流河川事務所 松崎竹史 副所長】
「真ん中の水門だけ開けることによって川の幅が狭くなる。(狭めたことで増す)水の速さで塩水を押し出す効果が期待できる」

雨が少ないことで様々な影響が出始めている県内。

県によりますと、稲への被害は上越市だけでなく、新発田市・新潟市・長岡市・柏崎市・糸魚川市・佐渡市でも確認されているほか、おととし、池の水位低下による被害を受けたニシキゴイへの影響も懸念されています。

【花角知事】
「沢の水などに頼っている中山間地に近いところはすでに厳しい状況が出てきている。今後の水位を注意深く見ていく必要がある」

県は市町村や土地改良区に対し、応急ポンプを設置するなどの水利施設の管理強化費の2分の1を補助するほか、農地に水を供給するために県が所有するポンプの貸し出しを行うなど対応を許可していく方針です。

最終更新日:Wed, 30 Jul 2025 22:00:00 +0900