需給見通し誤り価格高騰…政府“コメ増産”方針を決定 価格低下を懸念する声も「小泉農水相から心配しないでくれと」新潟

ようやく降った雨に胸をなでおろす農家がいる一方、コメをめぐっては8月5日、政府が方針の転換を打ち出しました。これまで続けてきた事実上の減反にあたる生産調整から増産体制に舵を切ることを決めたのです。
NST新潟総合テレビ

ようやく降った雨に胸をなでおろす農家がいる一方、コメをめぐっては8月5日、政府が方針の転換を打ち出しました。これまで続けてきた事実上の減反にあたる生産調整から増産体制に舵を切ることを決めたのです。

【小泉進次郎 農水相】
「これが結果として恵みの雨に変わってくれればいいと思いながらも、できる対策をしっかりやっていきます」

8月4日、新潟県内の農業関係者と意見交換を行った小泉進次郎農水相。この中で農家が求めたのは、再生産可能なコメの価格の実現です。

【アグリシップ 佐藤広幸さん】
「ようやく従業員が一般企業並みよりはちょっと下がった程度の生活をできるようになったので、ここを最低限にして、大臣から消費者に理解を呼びかけてもらいたい」

このコメの価格に大きく影響を与えることになる決定を8月5日、政府が下しました。

【石破首相】
「今後の需給ひっ迫に柔軟かつ総合的に対応できるように増産に舵を切ること。『コメを作るな』ではなく、生産性向上に取り組む農業者の皆様方が増産に前向きに取り組める支援に転換する」

これまで、事実上の減反にあたる生産調整を続けてきましたが、増産へと舵を切る方針を決めたのです。

農水省が人口減少により需要も減ると考えて、訪日外国人客や1人あたりの消費量の増加を考慮せず「生産量は足りている」と誤った判断していたことなどがコメの価格高騰につながったと分析。方針の転換を図ることに。

これにより、農家からはコメの価格低下を懸念する声もあがりますが…

【アグリシップ 佐藤広幸さん】
「主食用米の作付けが増えることになる。そうすると価格が暴落したときにどうなるか心配。でも(小泉農水相から)『そういう心配もしないでくれ』という話があった」

政府は今後、農業経営の大規模化や法人化・スマート化を推進するなどしてコメの増産を後押しするとともに輸出の拡大も図っていく方針です。

最終更新日:Wed, 06 Aug 2025 05:00:00 +0900