

日本放送協会NHKは24年度の推計世帯支払率について発表し、全国平均は前年よりも1ポイント少ない77.3%となった。一方で、公用車のカーナビのNHK受信料未払いが全国の自治体で問題となっている。推計世帯支払率全国2位となった新潟県でも各自治体の未払いが相次いで発覚している。
■NHK受信料支払率は全国2位

NHKの受信料を支払う対象世帯のうち、実際に支払っている世帯の割合を示した『推計世帯支払率』。
NHKの調査で、全国平均は77.3%で前年を1ポイント下回った。
全国で最も高かったのは秋田県で96.1%。新潟県は岩手県と同じく93.2%で全国2番目に高い数字となった。(都道府県別推計世帯支払率は下記掲載)
一般家庭では、全国的に見てもNHKの受信料を支払っている世帯が多く、“NHKの放送受信料の契約”に対する意識が高い新潟県だが、多くの自治体で公用車のカーナビの受信料の未払いが相次いで発覚している。
5月1日に発表した村上市では、消防車両やスクールバス、給水車など42台。最長で2005年から20年間受信料を支払っていなかった。
全国の自治体で公用車に搭載されたカーナビのNHK受信料の未払いが次々と判明していることを受け、市が調査したところ発覚したという。
この事案を受け、県内の他の自治体でも調査が行われ、その結果、テレビ放送を受信できるカーナビを搭載した消防車両、スクールバスなど、多くの公用車でNHKの受信料が未契約状態だったことが分かった。
■未払い公表の自治体(NST調べ)
●新潟市
未契約が発覚した台数:112台
内訳:軽・普通乗用車:76台、バス1台、特殊車両(給水車・クレーン車・サイレン付き緊急車両)13台、消防車両22台
●上越市
未契約が発覚した台数:47台
内訳:軽・普通乗用車47台
最長で2004年から20年間未払い
●新発田市
未契約が発覚した台数:12台
内訳:スクールバス1台、軽・普通乗用車11台
最長で2008年から16年間未払い
●柏崎市
未契約が発覚した台数:36台
内訳:軽・普通乗用車16台、消防車両13台、マイクロバス(スクールワゴン含む)7台
最長で10年間未払い
●燕市
未契約が発覚した台数:24台
内訳:軽・普通乗用車13台、スクールバス11台
最長で14年間未払い
●五泉市
未契約が発覚した台数:25台
内訳:軽・普通乗用車10台、スクールバス8台、消防車両7台
最長で2011年から13年間未払い
●佐渡市
未契約が発覚した台数:21台
内訳:消防車両15台、軽・普通乗用車5台、給水車1台
最長で2005年から19年間未払い
●南魚沼市
公用車の未契約があった事実は把握しているが、台数などは調査中
●糸魚川市
未契約が発覚した台数:27台
内訳:軽・普通乗用車20台、消防車両7台
最長で15年間未払い
●小千谷市
未契約が発覚した台数:36台
内訳:軽・普通乗用車16台、消防車両15台、スクールバス2台、マイクロバス2台、給水車1台
最長で2006年から19年間未払い
●十日町市
未契約が発覚した台数:15台
内訳:軽・普通乗用車15台
最長で2018年から7年間未払い
●見附市
未契約が発覚した台数:21台
内訳:公表せず
最長で2009年から15年間未払い
●妙高市
未契約が発覚した台数:8台
内訳:軽・普通乗用車8台
最長で2011年から13年間未払い
●胎内市
未契約が発覚した台数:10台
内訳:軽・普通乗用車8台、マイクロバス2台
最長で2009年から15年間未払い
●阿賀野市
未契約が発覚した台数:8台
内訳:軽・普通乗用車2台、消防車両2台、バス4台
最長で2015年から9年間未払い
●加茂市
未契約が発覚した台数:9台
内訳:普通乗用車3台、消防車両6台
●聖籠町
未契約が発覚した台数:8台
内訳:普通乗用車6台、マイクロバス2台
最長で2009年から15年間未払い
●田上町
未契約が発覚した台数:3台
内訳:軽・普通乗用車3台
最長で2012年から13年間未払い
●出雲崎町
未契約が発覚した台数:11台
内訳:軽・普通乗用車11台
最長で2010年から15年間未払い
●湯沢町
未契約が発覚した台数:6台
内訳:軽・普通乗用車6台
最長で2013年から12年間未払い
●津南町
未契約が発覚した台数:9台
内訳:普通乗用車8台、マイクロバス1台
最長で2012年から12年間未払い
●弥彦村
未契約が発覚した台数:6台
内訳:軽・普通乗用車5台、マイクロバス1台
最長で2018年から7年間未払い
●関川村
未契約が発覚した台数:12台
内訳:普通乗用車6台、スクールバス4台、マイクロバス2台
最長で2010年から14年間未払い
さらに、県が管理する公用車でも公用車の契約漏れが発覚していて、その総台数は263台で、未契約による未納額は約2600万円に上ることが判明している。
なお、長岡市、三条市、魚沼市、刈羽村、粟島浦村は公用車のNHK受信料漏れの事実はなかった。
一般家庭と異なり、地方自治体や企業は、テレビ受信機の設置場所に応じ、それぞれ受信契約を結ぶ必要がある。しかし、今回NHK受信料の未契約が分かった自治体では、その認識が不足していたという。
NSTの取材に対し、各自治体ともに「今後はNHKと協議し、契約状況ややどこまで遡って支払えばいいかなど、詳細を確認した上で必要な手続きを進めていく」と回答。
また、今後については「テレビ受信機能の必要がないものについては、機能の無効化など対策を検討するほか、業務で必要がある場合を除き、テレビ機能がない機種の使用あるいは導入を検討している」と話している。
■都道府県別推計世帯支払い率(24年度)
全国平均:77.3%
北海道:69.8%
青森:91.7%
岩手:93.2%
宮城:83.0%
秋田:96.1%
山形:91.6%
福島:86.3%
茨城:81.9%
栃木:82.7%
群馬:82.8%
埼玉:79.4%
千葉:79.3%
東京:66.2%
神奈川:76.8%
新潟:93.2%
富山:90.1%
石川:82.5%
福井:87.4%
山梨:81.7%
長野:85.2%
岐阜:87.1%
静岡:84.2%
愛知:80.1%
三重:83.1%
滋賀:80.6%
京都:73.5%
大阪:64.3%
兵庫:73.9%
奈良:78.8%
和歌山:80.4%
鳥取:90.1%
島根:92.9%
岡山:81.7%
広島:84.8%
山口:89.3%
徳島:81.1%
香川:83.2%
愛媛:82.6%
高知:82.1%
福岡:72.4%
佐賀:81.5%
長崎:86.7%
熊本:79.8%
大分:78.4%
宮崎:81.1%
鹿児島:83.4%
沖縄:46.6%