

飲食店を手がける新潟県長岡市の松葉館が新潟地裁長岡支部より破産手続きの開始決定を受けたことが分かった。
民間の信用調査会社・帝国データバンク長岡支店などによると、1967年7月に設立された松葉館は、「洋食・割烹 松葉館」として長年親しまれてきた老舗で、肉や野菜を継ぎ足し、スパイシーでコクのあるデミグラスソースをベースに作るタンシチューが名物料理として知られていたほか、海老グラタンや洋風カツ丼等の人気メニューもあった。長岡市の中心市街地に立地し、一般個人や各種宴会需要を取り込むなど、地域で一定の知名度を有していた。
しかし、近年は人口減やデフレ、中心市街地の空洞化などで環境が厳しさを増し、新型コロナウイルス感染拡大による集客減も痛手となった。新型コロナ禍収束以降は物価高から仕入コストが高騰。消費が低迷する中、集客も戻らず、2024年5月期の年売上高は約1300万円にまで落ち込んでいた。厳しい業況を余儀なくされ、先行きの見通しが立たないことから今年5月31日付で事業を停止していた。
負債は債権者約21名に対し、約5050万円の見込みだという。