住民負担軽減も“液状化対策”への思い様々「年金生活だから」 全員合意の難航予想される中…被災地区で防災イベント「液状化は繰り返すという認識新たに」新潟市

能登半島地震で液状化被害を受けた新潟市江南区で9月23日、自治会による防災イベントが開かれました。イベントの中心となっていたのは起震車での地震体験です。
NST新潟総合テレビ

能登半島地震で液状化被害を受けた新潟市江南区で9月23日、自治会による防災イベントが開かれました。イベントの中心となっていたのは起震車での地震体験です。

【震度6強を体験した人】
「ここ(机の下)にはもぐれない」

【震度6強を体験した人】
「ぴょんぴょん跳ねるような揺れだった。すごく怖かった」

【松村道子キャスター】
「起震車による地震体験が行われているのは江南区天野地区。再び地震の揺れに見舞われた場合、液状化を繰り返す不安を抱えています」

能登半島地震で震度5弱を観測し、液状化被害を受けた新潟市江南区天野地区。自治会の防災イベントに初めて、起震車を用意しました。

【天野中前川原自治会 増田進 自治会長】
「また(地震が)来たら液状化になるということも、認識を新たにしてもらいたい」

将来の液状化リスクを低減させようと、街区単位の対策の検討を進めている新潟市。

工事費を国と市が負担する一方、工事後の維持管理費として、住民に1坪あたり5250円の負担を求めた上で、地権者全員の合意を工事実施の要件としています。

【天野中前川原自治会 増田進 自治会長】
「自己負担ゼロと一刻も早い工事。安全安心な地域として孫・子の世代に引き継いでいきたいという考え方は変わっていないが、少しは明るい兆しになってきたのかなという感じ」

住民負担ゼロを求めながらも、負担の軽減を図る市の姿勢には一定の理解を示す自治会長の増田さん。一方で住民の思いは様々です。

【天野地区の住民】
「年金生活で30万円(自宅60坪)を出すのはなかなか大変」

【天野地区の住民】
「我々は(対策を)しなくてもいいと思っている。どうせ住まない。息子たちは家から出ているし」

全員合意の難航が予想される中、自治会長の増田さんは、新潟市に被災住民への説明会を要請するなどして理解の浸透につなげていく考えです。

最終更新日:Tue, 23 Sep 2025 22:00:00 +0900