

金型設計・製造を手がける新潟県燕市の吉井金型製作所が事業を停止した。今後は、新潟地裁三条支部へ自己破産を申請する予定である。
民間の信用調査会社・帝国データバンク新潟支店によると、1985年に創業し、1986年7月に法人改組された吉井金型製作所は、主に金属加工向けを中心とし、自動車関連(排気系、インパネなど)、住宅設備関連(給湯器、レンジフードなど)、器物雑貨関連(キャンプ用品、キッチンツールなど)の金型を製造していた。絞り型、単発型、曲げ型など各種プレス金型に対応し、中でも深絞りや異形状などの難しい形状の絞り型を得意としており、2016年12月期には年売上高約1億7123万円を計上していた。
しかし、近年は得意先が製造拠点を海外に移転したことや、地場産業の落ち込みなどにより業績低迷が続いていたほか、熟練職人の離職もあって作業効率が低下していたことなどから、2024年12月期の年売上高は約9500万円にまで減少。また、欠損が連続していたほか、債務超過が続くなど財務面が脆弱で、厳しい経営環境を強いられていた。その後も業況は回復せず、資金繰りが限界に達したことから事業継続を断念した。
負債は2023年12月期末時点で約1億9000万円だが、変動している可能性がある。
最終更新日:Fri, 03 Oct 2025 05:00:00 +0900