
柏崎刈羽原発の再稼働をめぐり、国や新潟県・東京電力の動きが活発化していますが、原発から半径30kmのUPZ圏内に位置する自治体も住民の安全を守るための動きを強めています。小千谷市など6つの市と町の首長などが原発の安全対策の向上や原子力防災対策への財政支援を国に要望しました。
10月10日、原子力規制庁の児嶋洋平次長の元を訪れたのは、小千谷市や長岡市など柏崎刈羽原発から5km~30km圏内に位置するUPZの6つの市と町の首長です。
【小千谷市 宮崎悦男 市長】
「(原子力規制庁が)前面に立って、住民および民間事業者等の理解を促進するため、取り組みの強化をさらにお願いしたい」
【原子力規制庁 児嶋洋平 次長】
「UPZの自治体の住民、また、その思いを受けた自治体の懸念については痛感している。引き続き、屋内退避の効果、原子力災害時の対応について、より一層分かりやすい普及に努めていく」
要望書では、国が前面に立った、住民から信頼される運営体制の構築や屋内退避に向けた避難所の環境整備などの取り組み強化を求めています。
10月1日に途中経過が発表された県民意識調査では“どちらかといえば”も含めると6割が「再稼働の条件は整っていない」と回答するなど再稼働に対しては県民の厳しい視線が向けられています。
【原子力規制庁 児嶋洋平 次長】
「屋内退避の実効性をどう上げていくかについては、新規制基準とは何か、新規制基準を満たした施設の原子力災害時の放射線影響はどのようなものか、これについて住民の理解を一層深めることが必要と考える」
10日はこのほか、財務省の斎藤洋明副大臣を訪問し、地域防災計画や広域避難計画の作成など、原子力災害に対する防災業務の負担への財政支援や電源三法交付金制度の見直しなども必要だと訴えました。
【小千谷市 宮崎悦男 市長】
「様々な事務的な、また、地域にとっても精神的な負担を強いられている。そういったものに対しても、全く措置もない状態できているということも含めて(地域の不均衡は)たくさんあると受け止めている」
また、経産省の大串正樹副大臣からは原発から6方向へ放射状に避難するための幹線道路の整備について優先的に進める考えが示され、必要な経費は国が負担する方針が伝えられました。
【経産省 大串正樹 副大臣】
「これらについて、県の調査状況を踏まえ、原子力関係閣僚会議の方針に基づいて地方負担なく整備を進めていく」