新潟・佐渡市で13年ぶりの演能会 過疎と高齢化の中で「歴史ある能舞台を次世代へ」保存だけでなく活用必須

かつて島内に200以上の能舞台があったとされる新潟県佐渡市。地域の高齢化が進む中、使われなくなっていた歴史ある舞台の一つが、能の愛好家などによって息を吹き返しました。

かつて島内に200以上の能舞台があったとされる新潟県佐渡市。地域の高齢化が進む中、使われなくなっていた歴史ある舞台の一つが、能の愛好家などによって息を吹き返しました。

佐渡市新穂地区の武井熊野神社にある能舞台。県の有形民俗文化財に指定されていますが、長い間使われていません。

地域の過疎・高齢化で舞台の維持が難しくなる中、生前、建物の手入れなどその存続に尽力したのが能の愛好家・間島具代さんです。

その間島さんの七回忌を前に、13年間閉じられていた舞台で演能会が開かれることが決まりました。

【佐渡の能を織る会 近藤利弘 代表】
「中を見ると、松羽目というか、鏡板が立派なものが出てくるんだけど…」

長年使われなかった舞台は傷みも見られましたが、この日は能の愛好家や神社の関係者が集まり、入念に清掃にあたりました。

【神社関係者】
「気持ちいい。風も通ってありがたい」

文化を未来につなぐために歴史ある舞台を活用する重要性を市も認識しています。

【佐渡市観光文化スポーツ部 小林大吾 部長】
「文化財の維持・管理の面では保存だけでなく、活用が必須になると考えている」

そして、迎えた演能会当日。地域の人が見守る中、境内には澄んだ声が響き渡ります。

この日は地元の小学生も舞台に立ち、関係者は能舞台の活用と次の世代への文化の継承に向け、思いを新たにしていました。

【間島具代さんの娘 恵子さん】
「何とか今年、実現できて本当にありがたい」

【佐渡の能を織る会 近藤利弘 代表】
「間島さんは無形の文化をつなぐことを非常に大切に思っていた。次世代の方が関わってくださって、その点もうれしく思う」

13年ぶりに一つの能舞台に命が吹き込まれました。

最終更新日:Wed, 15 Oct 2025 05:00:00 +0900