【上越市長選】任期中に“不適切発言”相次いだ現職・中川幹太氏(50)が敗戦 選挙期間中に握手拒まれることも…

過去最多となる6人が立候補した新潟県・上越市長選挙は、前市長や自民党県議などの支援を受けた元外交官の小菅淳一氏(73)が初当選を果たした。一方で、再選を目指して戦った現職の中川幹太氏(50)は3番目の得票数となり、再選を逃した。敗因には自身の“不適切発言”を上げた中川氏。敗戦の弁をまとめた。
NST新潟総合テレビ

過去最多となる6人が立候補した新潟県・上越市長選挙は、前市長や自民党県議などの支援を受けた元外交官の小菅淳一氏(73)が初当選を果たした。一方で、再選を目指して戦った現職の中川幹太氏(50)は3番目の得票数となり、再選を逃した。敗因には自身の“不適切発言”を上げた中川氏。敗戦の弁をまとめた。

■相次ぐ不適切発言で2度の不信任決議案…

NST新潟総合テレビ

結果が出ると、正面を見つめ現実を受け止めていた現職の中川幹太氏。「やはり発言問題が一番だと思っております」と最大の敗因に挙げたのが、自身の相次ぐ不適切発言だった。

中川氏の不適切発言を巡っては、2022年、商店街の将来を考える会議で上越市にある直江津商店街について「直江津の商店街はない」と発言し、商店街関係者から抗議を受け謝罪。

23年には、市内にある私立高校2校に関して不適切な発言を。24年6月には、市議会で企業誘致に関する答弁の中で「工場では高校卒業程度のレベルの人が働いている。頭のいい人だけが来るわけではない」などと発言し、議会は辞職勧告決議案を可決。不信任決議案も提出された(不信任決議案は反対多数で否決)。

「不退転の決意で職責を果たしていく」と続投した中川氏だったが、25年7月、自身がかつて住んでいた兵庫県三田市について、「食べるコメはまずい」などと公務の中で複数回発言。これに怒った三田市の市長が「今回の発言はふるさと三田を侮辱する倫理観に欠けるものであり、強い憤りとともに同じ首長として残念でなりません」との抗議状を送りつける事態となっていた。

これを受け、上越市議会は2度目となる不信任決議案を提出していた。(不信任決議案は反対多数で否決)

■選挙期間中に握手拒まれることも

NST新潟総合テレビ

こうした発言の影響は選挙戦でも感じたと中川氏は振り返る。

「中には握手を拒まれる方も何人かいらっしゃいました。そういう意味では発言の影響があったと感じたこともありました。私としては、選挙期間中に謝罪をするということはしませんでしたが、例えば色々な会の中で私の不適切発言についてお詫びするところはありました」

再選を目指して戦ったものの結果的に、初当選した小菅氏に7700票以上の差をつけられ、市民の負託を得ることはできなかった。

「これまで種をまいてきたところがまだ花が咲いていないということで、これからも努めていきたいと思っておりました」と話す中川氏だったが、その芽を摘んだのは、自らの発言だった。

■中川氏の敗戦の弁でのコメント全文

この結果の責任ついては私一人の責任だと思っております。たくさんの方に、場合によっては夜を徹して応援していただき、本当にありがたいことだと思っております。とにかく皆さん、本当に申し訳ありませんでした。もう一度、自分のやってきたことを振り返りながら今後のことについても考えていきたいと思っております。皆さんと色々話をしながら、今後のことは決めていきたいと思っております。

Q 一連の、いわゆる不適切発言の問題で、議会から不信任決議案も出された。その影響はあったか?
影響はあったと思っております。私としては、その発言を踏まえながらこれからの政策について皆さんに訴えてきたが、そういう意味では、結果としてこういう結果になったと思っております。

Q 今後の政治活動、今後の活動については今どのように考えているか?
現時点では、私の中でどうしようということは何も決まっておりません。また今後考えたいと思います。

Q 選挙戦中に逆風は感じたか
中には握手を拒まれる方も何人かいらっしゃいました。そういう意味では発言の影響があったと感じたこともありました。

Q選挙戦中はどういう説明?
私としては、選挙期間中に謝罪をするということはしませんでしたが、例えば色々な会の中で私の不適切発言についてお詫びするところはありました。

Q政策面で4年間を振り返って
私としては、これまで種をまいてきたところがまだ花が咲いていないということで、これからも努めていきたいと思っておりました。こういう結果ですので、とにかく次の市長の方にスムーズに引き継いでいきたいと思っております。

Q 今回の敗因は発言問題の影響が一番?
まず第一としては、やはり発言問題が一番だと思っております。

Qまた市長選に挑戦したいという気持ちはあるのか?
まだ何も考えていません。

Q 敗因は発言問題に帰結するのか、ほかのところにもあるのか?
今後の分析については十分にさせていただきたいと思っております。

Q 改革道半ばであることに関して
私がやっている上越市長という立場については、住民の皆さん、市民の皆さんが選択することでございます。私のやれる範囲で4年間は、できる限りの政策は実行してきたと思っております。

Q これからも続けていきたい施策があったが、道半ばであることについて
そのことについてはまだ考えておりませんので、今後じっくり考えたいと思っています。

Q 政策面でもっとやりたかったことは
どちらにしても、全ての政策について止まることはありません。実行しているものについても時勢に合わせて変えていかなければいけないと思っております。全ての政策について、もっとやりたいことはたくさんありました。

第一はやはり不適切発言にあったと思っております。これからもどのような立場になるか分かりませんが、そういう発言がないように気を付けていかなければいけないと思っております。この立場から去りますが、どういう形で(政策が)実現するか分かりませんが、そのことについても今後じっくり考えていきたいと思っています。

最終更新日:Mon, 27 Oct 2025 16:42:56 +0900