
食べたり飲み込んだりすることが難しい人にも家族とともに安心して外食を楽しんでもらおうと企画された食事会が新潟市で開かれました。特別な時間に、参加者からは喜びの声が聞かれました。
新潟市中央区のホテルで10月26日に開かれた『ばりあふりーお食事会』。
食べたり飲み込んだりすることが難しい摂食嚥下障害のある人にも安心して家族と外食を楽しむ機会を持ってもらおうと、毎年開催されています。
ここで提供されるのは、ホテルオークラ新潟のシェフによるフレンチのフルコース。この日はホタテガイと小エビのマリネや牛フィレ肉のステーキなどが提供されました。
【記者リポート】
「このお食事会の特徴が段階別の食事。噛む力に合わせて普通食を含め、5段階の硬さの違う食事が用意されています」
もともとの普通食からそれを細かく刻んだ後期食、舌で押しつぶせるくらいの硬さの中期食、ペースト状の初期食、そして液体状の注入食と、噛む力に合わせて柔らかさが細かく調節されています。
【参加者】
「おいしいね」
参加者それぞれが特別な食事の時間を楽しんだようです。
【参加者】
「いつもと違って、心に余裕を持って、彼女が食事を楽しむ姿を一緒に見ながら時間を過ごせていることが非常にうれしい」
【参加者】
「とてもうれしい。2人で楽しく食べる思い出をつくりたい」
【参加者】
「なかなか一緒に外食に行っても、ミキサー食みたいなものがなかったり、お願いもできなかったりする。いつもは自分たちで持ち込んだりするが、みんなと同じものを食べられるのがうれしい」
新潟大学歯学部の井上誠学部長をはじめ、特別支援学校のスタッフやホテルオークラ新潟のシェフなどが協力して行われているこの取り組み。
現在はホテルオークラ新潟で年に一回の実施ですが…
【新潟大学歯学部 井上誠 学部長】
「和食とか中華を楽しんでもらう機会がもてないかということで、来年、調理師専門学校が持つレストランでこのような食事会ができないか計画しているところ」
現在、新潟調理師専門学校と連携して試作・試食会が進められています。
家族と安心して外食を楽しむ経験をより多くの人に…この活動がさらに広がっていくことが期待されています。
【新潟大学歯学部 井上誠 学部長】
「障害児童の食支援こそ、我々が知らなかった部分も含め、これから真に取り組まなければいけない領域ではないかと考えている。マイノリティーといわれる障害児者の食事支援、あるいは外食の機会を持つ取り組みというのは、ぜひ行政にも注目・支援いただくことが広がればいい」





