約4000年前の生活とは?縄文時代後期の“上野遺跡” 9年間にわたる発掘調査終了で一般公開「昔を想像すると驚き」新潟・村上市

新潟県村上市で行われている縄文時代後期の上野遺跡の発掘調査が終了することになり、11月3日、遺跡とそこから出土した土器などが一般に公開されました。

新潟県村上市で行われている縄文時代後期の上野遺跡の発掘調査が終了することになり、11月3日、遺跡とそこから出土した土器などが一般に公開されました。

■発掘調査終了の“上野遺跡”を一般公開

【齋藤正昂アナウンサー】
「村上市の国道7号脇のこちらに縄文時代後期としては県内最大級の集落があったといいます」

村上市にある上野遺跡。約4000年前の縄文時代後期の遺跡で2017年から発掘調査が実施されています。

【県埋蔵文化財調査事業団 加藤元康 専門調査員】
「彼らの生活のスタイルが、食料をどう確保するのか、それをどう保存し、長期的に自分たちの生きる糧にするのかということになるので、色んな生態系、色んなところにアクセスしやすい場所というのを選んで生活していたと思う」

これまでに250棟以上の建物の跡や約5000もの土器などが発見されていて、この時代としては県内最大級で地域の拠点として、ほかの地域との交流もあったことが分かっています。

【県埋蔵文化財調査事業団 荒木隆史 調査課長】
「長く、たくさん色々なものが出てきたが、これでいったん区切りということで、この現地説明会を開催させていただくということになった」

今年度で約270mの範囲にわたって行われてきた調査が終わるため、11月3日、一般向けに遺跡を公開。幅広い年代の人が見学に訪れていました。

【子ども】
「楽しかった(Q.どんなところが?)穴。(Q.ここに人がたくさん住んでいたと思う?)思わない」

【訪れた人】
「こういうものを使って人が住んでいたんだなと。昔を想像すると、すごいことだなと驚いている」

■出土した土器・石器を実際に触ることも!

ほかにも、この日はこれまでの上野遺跡の調査で出土した土器や石器などが展示され、中には…

【齋藤正昂リポート】
「こちらに展示されている石器や土器はなんと触ることができるんです」

見学に訪れた人は実際に手で触れることで、4000年前に生きた人たちの暮らしを感じとっていました。

【子ども】
「なんか、ざらざらしている」

【訪れた人】
「触れる機会はまずない。触っていいというのは楽しい。美的センスというか芸術的センスが昔からあったというのがおもしろい」

【県埋蔵文化財調査事業団 加藤元康 専門調査員】
「4000年前のものが意外と丈夫。割れていないとか、縄目の細かいもの、太いもの、深いもの、色々違いがあるんだと触ることによって分かることがあると思う」

この遺跡で人々はどのような暮らしを営んでいたのか、県埋蔵文化財調査事業団は今後、調査結果をとりまとめていく方針です。

【県埋蔵文化財調査事業団 加藤元康 専門調査員】
「県内の中でも大規模なので、その辺の実態として、縄文人がどう生活をしていたかというのを明らかにしていく。具体的にどういった交流していたかというのを明確にしていく作業が今後求められると思う」

一方、発掘が行われた遺跡は日本海東北自動車道の建設予定地だったため、埋め戻されて工事が進められる予定です。

最終更新日:Tue, 04 Nov 2025 22:00:00 +0900