柏崎刈羽原発“再稼働”めぐる県民意識調査の結果公表 再稼働に否定的な人の約3割「安全対策分からない」 新潟

東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働をめぐり、新潟県が実施していた県民意識調査の報告書がまとまり、県が分析結果を公表しました。原発の安全対策に関する認知度が高い人ほど再稼働に肯定的な傾向がみられる一方、再稼働に否定的な人の3割あまりが安全確保の状況について「分からない」と答えたとして、県は安全対策の認知度に課題があるとしています。
NST新潟総合テレビ

東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働をめぐり、新潟県が実施していた県民意識調査の報告書がまとまり、県が分析結果を公表しました。原発の安全対策に関する認知度が高い人ほど再稼働に肯定的な傾向がみられる一方、再稼働に否定的な人の3割あまりが安全確保の状況について「分からない」と答えたとして、県は安全対策の認知度に課題があるとしています。

■柏崎刈羽原発の再稼働めぐる県民意識調査

【花角知事】
「何に引っかかるのか、何に不安感を持つのか、何を懸念するのか、まさに公聴会でも申し上げたが、それを把握したい」

花角知事が柏崎刈羽原発の再稼働問題に関する県民の意見を集約する方法の一つとして実施した県民意識調査。

県内全30市町村の6000人と原発から30km圏内の市町村に住む6000人の、合わせて1万2000人を対象に、柏崎刈羽原発の安全対策に対する認識や再稼働に対する認識などを聞ききました。

県は10月の中間報告に続き、11月6日、詳細な分析結果を公表しました。

■県民意識調査の結果公表

調査によると、東京電力が原発を運転することが心配かを問う質問では69%が「どちらかといえば」を含め「そう思う」と回答。

地域別にみると、柏崎市や刈羽村のほか、長岡市や小千谷市などを含む中越地域で「そう思う」と答えた人が43%あまりとなり、ほかの地域と比べ高くなりました。

また、再稼働の条件が現状で整っているかどうかについては、「どちらかといえば」を含め「そうは思わない」と答えた人が60%に上り、「そう思う」または「どちらかといえばそう思う」の37%を上回りました。

県はこのうち、男性や若年層で肯定的な回答の割合が比較的高く、女性や高齢層で比較的否定的な回答が多いと分析。

また、ここで否定的な回答をした人のうち、柏崎刈羽原発の安全対策による安全確保の状況について「分からない」と回答した人が33%に上りました。

県は安全対策や防災対策に関する認知度が高い人ほど、再稼働に肯定的な傾向がみられるとしています。

【原子力安全対策課 金子信之 課長】
「安全対策の取り組み、防災対策の取り組みの認知度が低いというところを、担当課としてはそれをどうやって上げていけばいいのか、国・市とも連携しながら、東京電力にも求めながら、今後しっかりやっていかなければいけない」

このほか、再稼働をめぐる自由記述の質問では「地域住民の電力費負担を軽減するべき」「何かあった時に誰が責任をとるのか再稼働する前に決めるべき」などの意見があったということです。

■花角知事「近いうちに私の考え方示す」

これまで実施してきた市町村長との懇談会や公聴会と合わせて県民の多様な意見の把握に努めるとしてきた花角知事。

11月14日で調整している原発視察と周辺の市町村長との会談を経たのちに、自らの判断を示すとしています。

【花角知事】
「近いうちに私の考え方を示すつもり」

これに対し、柏崎市の桜井市長は11月6日の会見で知事が原発を視察することは「良いことだ」とした上で…

【柏崎市 桜井雅浩 市長】
「プラントを見ることも大事。しかし、それ以上に職員、関係者がどういう意識で働いているのか、どう変わってきたのかを体験することのほうが、大事なのではないかなと考えている」

このように話しました。

大詰めを迎えつつある再稼働をめぐる議論。集まった県民の意見を受け、知事がどのような判断を示すのか注目されます。

最終更新日:Fri, 07 Nov 2025 05:00:00 +0900