
東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働を容認し、自らの判断について開会中の12月新潟県議会に信を問うとした花角知事。その知事を支える与党で最大会派の自民党は12月16日、知事を信任する付帯決議案を提出することを決めました。自民党は議会の単独過半数を占めていて可決される見込みです。
■原発再稼働めぐり一問一答で論戦展開
16日、開かれた県議会連合委員会。柏崎刈羽原発の再稼働をめぐり、県議と知事が一問一答で論戦を展開しました。
【未来にいがた 大渕健 県議】
「そもそも不信任をしてくださいみたいな、やれるもんならやってくださいと言うほうがおかしい。もう信を問うことやめましたとはっきり言ったらどうなんですか」
未来にいがたの大渕健県議が強い口調で追及したのは、花角知事の“信の問い方”について。
花角知事は再稼働を容認する考えを示し、自らの判断について県議会で信任・不信任を仰ぐと表明。12月議会に再稼働を前提とした原発の安全対策などに関する広報費を、ほかの補正予算案と議案を分けて提出しました。
これに対し、大渕県議は「信任を示せるのは選挙しかない」と主張しますが、花角知事は…
【花角知事】
「私は法的効果を持つか否かに関わらず、知事の職務をそのまま続けてよいと議会からご判断いただくことを信任と申し上げており、その手法も含めて議会の判断をいただき、それを踏まえて職務を続けるか否かを決めたい」
こう話した上で、仮に不信任決議案が否決されれば信任の意思が示されたことになるとこれまでの考えを繰り返しました。
また、同じ未来にいがたの土田竜吾県議が問い質したのは知事の判断の前提について。花角知事は避難道路や屋内退避施設の早期の整備など7項目を国に求めた上で再稼働を容認するとしていて、その対応の確約や実施状況を文書で求めるとしていますが…
【未来にいがた 土田竜吾 県議】
「国の対応によっては、今回の再稼働判断に影響がある可能性があるという認識でよいか」
【花角知事】
「私の判断をお伝えする前提として確認すると申し上げていますので、確認していただけないのであれば私の判断は当然変わる」
厳しいやり取りが行われた一方、野党系会派が検討している不信任決議案の提出は難しい状況です。
仮に提出しても過半数を占める自民党などの反対で否決される可能性が高く、「知事の思惑通り、結果的に信任を与えてしまうことになる」との慎重な声があります。
■自民“知事信任”の付帯決議提出へ
こうした野党の動きを横目に自民党は16日、党議を開催。再稼働に関する広報費の議案に賛成し、知事の信任の意思を示す付帯決議案を提出することを全会一致で決めました。
決議案は「知事と県議は選挙を経て選出され、県民の負託を受けた者である」とした上で「知事の職務を続けていくことの是非について『是』という意志を表明する」などとする方針です。
【自民党県連 岩村良一 幹事長】
「(再稼働広報費は)補正予算と切り離して審議をする。そこに対する付帯の意見をつけるということが信任の意志を示す一つの方法ではないかという結論。私どもとしては深い理解を示し、敬意も示させていただきたい」
決議案は可決される公算で、再稼働を容認した知事の判断が信任されることになります。
12月県議会は22日に採決が行われます。
最終更新日:Wed, 17 Dec 2025 05:00:00 +0900



