

異常気象となっている昨今、夏には“10年に一度レベル”の暑さ、そして冬には“10年に一度レベル”の大雪など“10年に一度”を強調した見出しの記事が頻出されるようになっている。NST News タッチの石黒菖気象予報士は「やみくもに不安を煽り、危機意識が薄れてしまう」と、この表現への危機感を募らせている。そもそもどういう状況で“10年に一度レベル”の記事が出るのか、その理由についても解説する。
■“10年に一度レベル”見出しの記事が出る理由

「10年に一度レベル」と書かれた見出しの記事が出る際に報道機関が参考にしているのが、気象庁が発表する「早期天候情報」だ。これは毎週月曜日と木曜日に6日先から14日先までの降雪量や気温が平年と比べてかなり多い、かなり高くなる確率が平年と比べて30%以上と見込まれるときに発表される。
気象庁の早期天候情報の説明の中にも、「この時期としては10年に一度程度しか起きないような著しい降雪量となる可能性が、いつもより高まっているときに、6日前までに注意を呼びかける情報」とある。
この情報をもとに「10年に一度レベル」との見出しがついた記事が出るというわけだ。インパクトの大きい言葉でもあり、読者の関心も引く一方で、異常気象が続いている中、毎週のように発表されている現状もある。
■気象予報士が危惧する点
NST News タッチに出演している石黒菖気象予報士は、こうした「10年に一度レベル」との見出しがついた記事が頻出することへの危機感を抱いている。
「10年に一度はとても強い表現だが、毎年のようにこの言葉を記事で見る。この記事に対するコメントを見ても「1年に何回10年に一度がくるの?」といったコメントをよく見かける。私もその意見と同じ。実際に10年に一度と表現しても、どのくらいの雪が降るのか、どのくらい暑くなるのかイメージしにくく、注意喚起するのはいいが、やみくもに不安を煽ってしまう表現にしかならないと感じている」
また、地域によって雪の降り方も違うため、10年に一度といっても全く降らなかったという状況もある。こうしたことが続くことで、「10年に一度と言っても…」と危機意識が薄れることにも懸念を示している。
「本当に災害級の大雪になった場合に、避難の遅れや災害に巻き込まれるリスクが高まってしまう。また、10年に一度の大雪の情報が出なくても大雪になることもあることは知っておいてほしい」
このため、石黒予報士は10年に一度の表現を使わずに平年に比べてどのくらいの量の雪が降るのかイメージがしやすいようにして注意を促しているという。
今季、新潟県を含む北陸地方では、2回早期天候情報が発表されていて、1回目は2026年の年始の雪、2回目が10日からの3連休の雪に関してだ。また、新潟地方気象台によると、1月12日頃からの約5日間は北陸地方で降雪量がかなり多くなると発表している。(1月9日時点)
■1月10日からの3連休の天気は?

では、1月10日からの3連休はどれほどの雪が降るのか…3連休の中で雪に警戒が必要なのは11日(日)~12日(祝月)だという。この期間に大雪の目安となる寒気がはいってくるため、北日本や東日本の日本海側だけでなく、西日本の日本海側の平地でも雪が積もる予想。また、西や北寄りの風も強く、暴風となるため交通の影響も大きくなる。最新の交通情報の確認が必要となりそうだ。
石黒予報士も「車での移動の際は渋滞や立ち往生のリスクもある。無理な運転や外出は控えた方が良さそう。12日は成人の日ということで、二十歳の集いが行われる地域では十分に時間に余裕を持っておきましょう」と呼びかける。
■新潟県内は平地でも大雪のおそれ

また、新潟県内では日曜日は西寄りの風が強まることで、日本海に平行して雪雲が入ってくるため、上・中越だけでなく、下越でも大雪のリスクがある。また、日曜日は一時的に日本海では風がぶつかり合うことで雪雲が発達する「JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)」も予想されている。このJPCZがかかってくると平地・山沿い関係なく短時間で積雪が増えるおそれがある。
石黒予報士は「今の所、JPCZは日曜日に短時間で県内を南下する予想だが、停滞した場合、予想よりも雪の量が多くなるおそれがある。場合によっては外出を控えるなどの必要性も出てくるので、予定の見直し等も検討しておいてください」と警鐘を鳴らしている。
「10年に一度レベル」かどうかではなく、最新の気象情報をこまめに確認することが重要と言えそうだ。
最終更新日:Fri, 09 Jan 2026 19:39:50 +0900



