落選から1年3カ月…返り咲き果たした自民・鷲尾英一郎氏 苦悩の浪人時代を語る「完全に打ち砕かれた」

2月8日に行われた衆院選で新潟4区から出馬し、当選を果たした自民党の鷲尾英一郎氏。前回の衆院選では比例復活も叶わず、1年3カ月の浪人生活を過ごした。苦悩の日々について振り返るとともに、7期目の国政への意気込みを聞いた。
NST新潟総合テレビ

2月8日に行われた衆院選で新潟4区から出馬し、当選を果たした自民党の鷲尾英一郎氏。前回の衆院選では比例復活も叶わず、1年3カ月の浪人生活を過ごした。苦悩の日々について振り返るとともに、7期目の国政への意気込みを聞いた。

■真冬の選挙戦を振り返る

鷲尾英一郎氏

高市首相の絶大な人気を追い風に自民党が大勝した2026年の衆院選。新潟4区で返り咲きを果たしたのが、自民党の鷲尾英一郎氏だ。選挙から数日が経った新潟県長岡市の事務所には当選を祝う多くの花束などが届いていた。

真冬の選挙戦は、訴えを広げることの難しさを感じながらの選挙戦だったと振り返る。

「街頭演説会が本当に数少なかった。夜の個人演説会に至っては1回だけだったかと思う。通常の選挙だと街頭演説会は100回近く、夜の個人演説会も50~60回はやるが、それが全くない。どうやって訴えを有権者の皆さんに届けるかというところが非常に苦しかった」

■落選後の生活とは?

鷲尾英一郎氏

それでも、高市首相の人気を追い風に特に無党派層で相手候補を引き離した。7期目の当選を果たした鷲尾氏だが、2024年11月の衆院選では苦杯をなめた。2005年に初当選を果たして以来、6期連続で当選してきた鷲尾氏が味わった初めての落選。想像以上にショックが大きかったと話す。

「あまりにもショックで、落選当初は自分がどういう状況にあるのか客観視できず、記憶が曖昧なところもある。これまでは「有権者の皆さんが漠然と自分のことを見てくれているだろう」という信頼感があった。厳しい選挙もなんとか当選させていただいていたから。しかし、前回の選挙でそれが完全に打ち砕かれた。新しい選挙区になったこともあるが、すごく切ない気持ちになった。そこからどうやって信頼を得ていくのかと気持ちを切り替えて前に向くまでには時間がかかった」

落選のショックがある中でも、参院選が控えていたことから徐々に活動を再開させた。それでも、議員としての収入は断たれたため、秘書や事務所を維持するのは、簡単なことではなかった。

「私は公認会計士でもあるので、顧問先を増やすこと、これに尽きた。今も選挙区外にある上場企業の社外取締役をやっていて、正直に言うと東京に出稼ぎに行っている。地元に100%注力したくても秘書も食べさせていかなければならない。自分自身で顧問先を増やして仕事をさせてもらったのと、支援者の方々から資金管理団体や政党支部に個人献金や企業献金をいただき、なんとか事務所を維持してきた」

それでも秘書を残したのは、人間関係を重視していたからだと明かす鷲尾氏。ただ、1年が過ぎ、金銭的に厳しい状況は加速していた。

「正直、もうお金が続かなかった。限界の時に解散になった。事務所としても「これ以上は難しい」と考え始めた矢先の選挙だったので、救われた」

■“落選”という経験

公認会計士としての仕事と政治活動を両立する日々…。それが結果となって表れたのが今回の衆院選だった。もう落選経験はしたくないと苦笑いを浮かべつつも、収穫がなかったわけではないという。

「一つは、落選経験とはこういうものだと認識したこと。これまで6期連続当選で、一度も落選経験がなかった。分からないものは怖い。落選したらどうなるんだろうという恐怖心があった。もちろん、公認会計士の資格があるので路頭に迷うことはないだろうと思って立候補したが、20年目にして初めてその資格が別の意味で役に立った。それ以上に大きいのは、そうしたものを生かしながら落選を乗り切れたという経験そのもの。落選とはどういうものかを理解できたことが大きい」

■7期目へ見据える大臣ポスト

鷲尾英一郎氏

今回の衆院選で新潟県内の5選挙区全て制した自民党の中で鷲尾氏は当選回数が最多となる。一方で、新潟県選出の議員では、田中真紀子氏が当時の民主党政権で文部科学大臣を務めて以降、大臣を輩出できていない。鷲尾氏はこの任期での大臣ポストも見据える。

「最初はやはり経済閣僚。農水とか国交とか。一番やってみたいのは官房長官だが、そこまではまだ時間がかかる。皆さんから当選させていただく限り、地元に一番貢献できるのは自分だと思っている。これだけの修羅場をくぐってきたので、政局を動かす点でも一日の長があるかと思う」

自民党が大勝し、政権運営の安定が見込まれる今、求められるのは何より結果だ。物価高対策や農政など山積する課題にどう向き合い、成果を示せるのか。その実績こそが次の選挙での評価につながる。

最終更新日:Fri, 20 Feb 2026 22:00:00 +0900