「日頃の疲れを温泉や料理で癒してもらえれば」豪雨被害の温泉旅館も大型連休へ準備【関川村】

行動制限がなく、多くの人出が予想される今年の大型連休。観光業にとってかき入れ時ですが、去年8月の豪雨で被災した関川村の温泉旅館は特別な思いで連休を迎える準備を進めています。

NST新潟総合テレビ
行動制限がなく、多くの人出が予想される今年の大型連休。観光業にとってかき入れ時ですが、去年8月の豪雨で被災した関川村の温泉旅館は特別な思いで連休を迎える準備を進めています。

【記者リポート】
「豪雨による被害から8か月以上が過ぎました。護岸が崩れた箇所は元の高さまで土嚢が積み上げられ、またその上の整地も進んでいます」

関川村鷹ノ巣温泉の旅館・喜久屋。

清流・荒川を眺める自然豊かなこの場所で50年以上営業を続けていますが…

去年8月県北部を襲った豪雨で増水した川の流れにより護岸とともに建物の一部が崩落する大きな被害を受け、繁忙期のまっただ中に1か月あまりの休業を余儀なくされました。

あれから8か月が過ぎ、当時の荒川の濁流は本来のエメラルドグリーンの穏やかな流れを取り戻していました。

【喜久屋 小山泰喜副館長】
Q.被災した当初は、ここ(護岸)が全くなかったですよね
「そうです。ここは全くなかった。ほぼ元の状態に戻った」

まだ建物の被害の傷痕は残りながらも、着実に復旧の歩みを進める旅館では大型連休に向け宿泊客を迎え入れる準備が進んでいました。

【喜久屋 小山泰喜副館長】
「おかげさまで満室で稼働している。『来たかったんです』と言われることが多いので、『お待たせしました』という感じでしょうかね」

新型コロナウイルス対策の外出制限もないこの大型連休は、県外からを含めた常連客を中心に予約が埋まっているといいます。

その一方で…

【喜久屋 小山泰喜副館長】
「客室数が4部屋しかないので、断っているお客様には申し訳ない思いがある。急ぎたいのもありますが、自然が相手なので」

今後始まる護岸の本格的な復旧工事が完了しなければ、再建の作業を進められない設備もあることから、被災前8部屋あった客室のうち、現在稼働できているのは半分の4部屋にとどまり、多くの予約の希望を断らざるを得ない状況もあります。

【喜久屋 小山泰喜副館長】
「来年の今頃には堤防が完成している予定ということなので、それに合わせて私たちも浄化槽を入れたりだとか部屋の改装含めて6、7部屋くらいでは再開したい」

もどかしさの中で、先を見据えながらも、小山さんはまずは今迎え入れられる宿泊客に丁寧に向き合っていく考えです。

【喜久屋 小山泰喜副館長】
「連休中お子様もいらっしゃいますし、常連もいるので、日ごろの疲れを温泉や料理で癒してもらえればいい」