造影剤を誤って脊髄に…医療ミスで下半身麻痺の80代男性と市民病院が1900万円で和解【新潟市】

新潟市民病院は15日、医療ミスにより下半身麻痺が残った当時70代男性と1900万円で和解したと発表しました。

新潟市役所
新潟市民病院は15日、医療ミスにより下半身麻痺が残った当時70代男性と1900万円で和解したと発表しました。

2021年6月、80代男性患者に対し、腰部脊柱管狭窄症と胸部脊柱管狭窄症の疑いで脊髄造影検査をした際、造影剤を髄腔に注入しようとした針が誤って脊髄に入り、脊髄を損傷。2022年9月に下半身麻痺が残りました。

病院によりますと、今回の検査では造影剤注入のための穿刺を3カ所行っていて、その後の撮影画像から脊髄内に造影剤が注入されていたことが判明。患者の負担を考慮して検査をその日で終えようとして、通常穿刺を行わないやや高い椎間から穿刺したことと、その際に髄液の流出が十分確認出来なかったが、針先が髄腔にあると判断したことが原因だということです。

脊髄の損傷と下半身麻痺が残ったこととの因果関係が認められると判断し、男性患者と和解に向けて示談協議を進めたところ、議会の議決条件とする和解金1900万円で合意しました。

市民病院は今後、脊髄造影検査で造影剤を注入する際、通常の手順で行い、支障があった場合は検査の遂行を急がず、他の検査を先行させて、穿刺困難である原因についても十分検討した上で、実施しない選択も考慮すること、実施する場合においても通常の手順を順守した範囲で行うことを徹底するとしています。