「核は悪魔の兵器だと感じ取って」G7広島サミット開幕 “核廃絶”へ…被ばく2世の思い【新潟】

G7サミットが19日に開幕し、被爆地である広島を舞台に核軍縮などを巡り、各国首脳が議論します。県内に住む被爆2世の男性は核廃絶への願いを込め、議論の行方を見つめます。

NST新潟総合テレビ
G7サミットが19日に開幕し、被爆地である広島を舞台に核軍縮などを巡り、各国首脳が議論します。県内に住む被爆2世の男性は核廃絶への願いを込め、議論の行方を見つめます。

5月19日、広島で開幕したG7サミット。

経済安全保障やエネルギー問題核軍縮などをテーマに議論が交わされることになっていて、19日各国の首脳は被爆の実相を伝える原爆資料館を視察し、慰霊碑に献花しました。

【父が広島で被ばく 西山謙介さん】
「これだけの首脳が集まっていて、みんなが『核やめようぜ』と言えば、やめられるはず」

サミットの議論の行方を特別な思いで見つめるのは、新潟県長岡市に住む、いわゆる被ばく2世の西山謙介さんです。

1945年8月、陸軍の一員だった父・喜代次さんが広島で被ばく。一命を取り留めたものの、西山さんが生まれたのちに57歳の若さで他界。西山さん自身も、がんとの闘病を強いられました。

【西山謙介さん】
「一瞬にして焼き殺された被ばく者だけでなく、生き延びた人たちにも塗炭の苦しみを味わわせた原爆がどんなにひどいものか、やすやすとした言葉で語ることはできない」

7年前、当時のアメリカ・オバマ大統領が広島を訪問した際も抱いた核兵器廃絶への期待…

しかし、ロシアによるウクライナ侵攻など、今も核の脅威が続き、「核なき世界」は遠い現状です。

【西山謙介さん】
「核抑止という名のもとに、核が拡大してきているのではないか。悲しい限り」

こうしたなか、「広島でサミットが開かれる意義を各国の首脳はしっかり考えてほしい」と、西山さんは話します。

【西山謙介さん】
Q.各国の首脳に何を感じてもらいたい?
「核は悪魔の兵器だと感じ取ってほしい。そのことが世界に共有されれば、そこが第一歩。核兵器を完全になくすことの第一歩」

被ばく地で開かれる初めてのサミットは核廃絶の機運を高めることにつながるのか…議論は21日まで続きます。