
柏崎刈羽原発6号機に関する書類を東京電力の社員が許可を得ずに持ち出し紛失した問題で、花角知事は「組織的な安全文化の風土が、まだできあがっていないのではないか」と懸念を示しました。
【柏崎刈羽原発 稲垣武之 所長】
「資料持ち出し時のルールが遵守されていなかったことは、当該社員だけでなく、上司のマネジメントについても問題があったと考えている」
柏崎刈羽原発の稲垣所長が5月25日の会見でこう話したのは、19日、20代の社員が6号機の図面などの情報が書かれた書類80枚を上司の許可を得ずに持ち帰り、紛失した問題。
【柏崎刈羽原発 稲垣武之 所長】
「(情報の管理について)日々、啓もう・教育をしていたかというと足りなかったと考えている。私はマネジメントのほうが問題だと思っている」
再び社員の意識が問われる問題が発生したことに対し、花角知事は懸念を示します。
【花角知事】
「軽率な行動ということだと思うが、それが繰り返されている。組織的なきちんとした安全文化の風土が、まだできあがっていないのでは、という不安がある」
テロ対策の不備を受け、追加検査を続ける原子力規制委員会の山中委員長もソフト・ハード両面での対応が必要と指摘しました。
【原子力規制委員会 山中伸介 委員長】
「わずか1人のこういう行動が社全体の信用に関わるということを、それぞれが意識として持っていただくとともに、(組織として)社員のミスを防ぐようなシステムづくりを考えていただかなければならない」
こうした中、東京電力は25日、社員の意識改革も含め、テロ対策に関する改善の取り組みを一過性のものにしないために、外部の有識者からなる評価委員会を設置すると発表。
6月1日に会合を開く予定です。