上越市牧区の棚田で収穫の時期を迎えているコシヒカリ。黄金色に輝く田んぼは、実りの秋を印象づけますが、今年の夏の水不足の影響を大きく受けていました。
【記者リポート】
「こちらの田んぼは一見黄金色に見えますが、近くで見ると完全に穂が実っていないのが分かります。その原因が田んぼのひび割れです。上越市ではこうした被害を調査するため、職員による現地調査行っています」
水不足により、一部の地域で発生している田んぼのひび割れ。実るほど頭を垂れる稲穂ですが、ひび割れた田んぼでは稲に栄養が行き届かず、実が十分になっていない現状が…
【上越市板倉区総合事務所 小林隆浩 次長】
「（田んぼ）１枚１枚に入って、ひび割れ・亀裂の状況、（ひびが）一番深そうなところを掘り出して、ひび割れの深さが２０ｃｍあるかどうかを調査。深刻な被害があるということを確認した」
猛暑と水不足によって、コメ農家をはじめ多くの農業関係者が頭を悩ませた今年の夏。
亀裂の深さが２０ｃｍ以上あると田んぼの保水能力が低下する恐れがあるため、上越市では基準を超える被害が発生したコメ農家などに対し、復旧工事にかかる費用を６５％支援します。
【コメ農家 中川卓夫さん】
「全部復旧すると、うちの場合６００万円～７００万円近くかかる。先祖からずっと守ってきた田んぼを荒廃農にしたくない」
しかし、ひび割れの影響は保水能力の低下だけにとどまりません。
見つかったのは、田んぼのあぜ道にできたひび割れ。このひび割れた箇所に雨が降ることで地滑りが発生する危険性もあると言います。
【コメ農家 中川卓夫さん】
「（この地区では）まだ１枚も田んぼは荒廃していない。全部守っている。地滑りなんかしてしまうと、今度は守り切れなくなるから、それをなんとか守りたくて」
これまでに上越市には田んぼ約２７００枚の復旧工事の申請が寄せられていて、市は１０月中旬までに調査を冬までに工事を終わらせる方針です。最終更新日:Tue, 03 Oct 2023 19:02:35 +0900
