去年１２月１４日の午前２時半ごろ、長岡市寺泊地区の山崎廣一さんの自宅に思わぬものが飛んできました。
【山崎廣一さん】
「屋根に落ちて、そして庭に滑り落ちてきた。北朝鮮からミサイルが飛んできたのかと思った。ドシーンと」
庭の木に寄りかかっている黄色い物体はなんとボート。なぜ、ボートが飛んできたのでしょうか。
【山崎廣一さん】
「まだこんな状態だが、当時はびっしりとあった。取りに来ている方もいらっしゃるみたいだけど」
当時から寺泊港中央ふ頭近くの砂浜や緑地に放置されていた無数のボート。
天気の荒れていたこの日は５艘が強風で飛ばれ、そのうち１艘が２０ｍほども離れた山崎さんの自宅の屋根を直撃しました。
庭の石灯籠が倒されたほか、鬼瓦の置物も壊れ、修復には約３０万円の費用がかかったと言います。
【山崎廣一さん】
「（３０万円の被害は）痛手だった。怒りというか、しょうがないとも思っている。早く撤去していただきたいし、できるものであれば補償していただければありがたい」
ほかの住宅でもサッシ戸が壊れる被害があり、寺泊港と付近の緑地を管理する県は放置ボートが飛ばないよう、ネットと土嚢で応急処置を実施。
それでも強風による事故の恐れが残ることから、県は１１月２７日に約１００艘の持ち主不明のボートを１２月１２日までに撤去するよう求める公告を出しました。
一体、誰が何のためにボートを放置しているのか…
県によりますと、一部のボートは立ち入りが禁止されている防波堤に向かい、釣りをするため置かれているとみられるということです。
【記者リポート】
「ボートはネットと土嚢で固定されているのですが、こちらボート１艘分のスペースが空いていて、地面には引きずったような跡があります。そして、その引きずった跡は海のほうへと続いています」
取材中にも港内を防波堤に向かって漕いでいくボートの姿が。
【長岡地域振興局地域整備部 保達倫人 副部長】
「これから冬に向かって、非常に気象条件が厳しくなり、強風などによって放置艇が周囲に危険を及ぼすおそれがある。所有者の方は一刻も早く自主的に撤去をしていただけるようお願いいたします」
持ち主が撤去しなかったボートは１２月１３日から簡易代執行により県が撤去しますが、数百万円かかると見られる費用にはもちろん税金が使われます。最終更新日:Tue, 05 Dec 2023 18:38:11 +0900
