“長年のライバル”とペアで挑む世界水泳
跳躍から入水までの数秒で美しい演技を見せる荒木宥図選手。
荒木宥図 選手:
今課題にしているのが、飛び出しの高さや距離、遠くに飛ばないようにしている。そういうところを意識しながら練習している
荒木選手が世界水泳に出場する種目は3mの高さから2人1組で同時に飛び込み、同調性を競う「3mシンクロ飛板飛び込み」だ。
4年前からペアを組んでいるのが、長年のライバルだった須山晴貴選手。2人は2023年4月の大会で優勝し、初めて世界水泳に挑戦する。
荒木宥図 選手:
高校生・大学生くらいまではずっとライバル関係みたいな感じだったが、今は協力して勝ちをとりに行くペア
地元を拠点に練習「自分との勝負」
荒木選手の練習の拠点は地元・長岡市。長岡ダイビングクラブでコーチも務めながら、自身の練習に励んでいる。
荒木宥図 選手:
柔軟は大事。どうしても飛び込んでいるときは勢いでガっといってしまう。そのとき、硬いと筋を痛めたりする
入念なウォーミングアップのあとに行ったのは、陸上での飛板を使った練習だ。
荒木宥図 選手:
上に行くと、恐怖心や緊張感が高まって思い通りの演技ができないが、陸上では正しい動きでできるので、陸上でやってからプールの流れが一番大事
演技の完成度や美しさ・入水時のしぶきの少なさなどが評価される飛び込み競技。
荒木宥図 選手:
ほんの1秒・2秒のために練習してきているので、自分との勝負
“一番理解している”兄と二人三脚
荒木選手の兄・駿図さん:
少し助走から力むようになってきているよ。もうちょっと楽に。肩を楽にして
荒木選手を支えているのが、荒木選手の兄でコーチの荒木駿図さんだ。
荒木選手の兄・駿図さん:
ただの選手・コーチとしての間柄ではないというところが重要な点。言葉では伝わらない、心が通じ合っているところをうまく生かして指導している
荒木宥図 選手:
一番、自分のことを理解してくれている人に見てもらう。自分が気付かないところを教えてくれるときもあるので一番安心する
兄の駿図さんの影響を受け、競技を始めたという荒木選手。大学を卒業してから4年間、二人三脚で歩んできた。
荒木選手の兄・駿図さん:
ようやく日本一に輝いて、世界へ羽ばたく選手になってきたので、私としてはコーチとして、兄としてでもすごくうれしい
初の世界水泳「表彰台上り五輪へ」
世界水泳で表彰台に上がれば、2024年のパリオリンピックが内定する。2023年5月のワールドカップで銅メダルを獲得し、荒木選手も手応えを感じている。
荒木宥図 選手:
今は表彰台にしか目がないので、表彰台に上って、パリオリンピックの切符を確実に取りに行きたい
そして、オリンピックに出場した暁には…
荒木宥図 選手:
世界水泳で3番以内に入れたということなので、オリンピックではそれより上、銀メダル・金メダルを目指して頑張りたい
新潟県勢1人目のパリオリンピック代表内定者となるか、荒木選手の演技に注目だ。