救助活動を阻む道路の寸断
「家は潰れているし、電柱は倒れている。そんなところも多々あった」
被災地の現状について語ったのは、石川県で県内から派遣された隊員をまとめていた山内大祐大隊長だ。
新潟県内19の消防本部は新潟県大隊として、地震発生直後の1月1日から隊員を石川県に派遣し、現在も行方不明者の捜索などに当たっている。
現地では群馬・岐阜・和歌山の隊員とともに活動し、これまでに4人を救助した。
その救助活動を阻んだのは、度重なる地震や雨などによる道路の寸断だったと明かす。
「前日車両が通行できた道が翌日、土砂崩れでふさがっているというのが毎日のようにあった」
消防車両が通れず、小型車両や徒歩に切り替えて現場に向かうこともあったため、円滑な救助に向け、ドローンの活用なども検討したいと話す。
「もし可能であれば、陸路の情報もそうだが、ドローンを使って上空から“ここを通れば進出できる”と、そういったものをうまく使いながらやっていければいいかなと」
消火しながらの捜索… 地震時には火の元に注意を
その一方で、現場に到着しても捜索活動に専念できない状況もあったという。
輪島市名舟町では土砂災害で家屋が倒壊し、火災も発生。消火作業をしながらの捜索は困難を極めた。
「揺れによって火災が起こるケースは多々あると思う。時間帯が夕方だったので、一つ気を付けていただきたいのは調理中。揺れがあったらコンロを止める、暖房器具は消す」
名舟町の火災の原因は分かっていないが、山内大隊長は「地震の際には身の安全を確保した上で火の元を確認してほしい」と呼びかけている。