一児の母 子どもと離れて警察学校へ
警察官の礼服に身を包み、引き締まった表情の警察官の卵たち。
1月26日、初任科生第393期生(長期課程)、18歳~33歳までの48人が晴れて卒業式を迎えた。
2023年6月に取材した時には…交通事故が起きた際の対応を学ぶ実習で、ぎこちなさも見られたが、警察官に必要な知識や逮捕術などを10カ月間学んだ。
副総代として仲間をまとめた渡邊花子巡査(33)は、「子どもが1人いて、これから大きくなっていく子どもや地域住民一人一人を守ることに自分も貢献していけたらと思って警察官を目指した」と当時語ってくれていた。
子どもと離れて警察学校で研さんを積み、卒業式では答辞の大役を務めた渡邊巡査。
渡邊花子 巡査:
連日の訓練や勉学、規律を重んじる寮生活は想像以上につらく厳しいものでした。そのような中でも、同期とともに励まし合い、時には律しながら切磋琢磨したこの10カ月間は互いの絆を深め、かけがえのない人生経験となりました
女性警察官として…「被害者に寄り添いたい」
式が終わった後、お世話になった教官との挨拶で涙を流す姿が多く見られた。
内谷きらら巡査(19)は高校時代の出来事が警察官を目指すきっかけとなったと話す。
「高校時代に、友人が痴漢の被害に遭って傷ついている時に当時の自分は話を聞くことしかできなかった。友人が警察官の方に相談して勇気をもらっている姿を見て、私も被害に遭っている方に寄り添いたいと思って警察官を目指した」
最後に内谷巡査は「女性警察官として女性の方からも相談をしやすいような警察官になりたい」と強く語った。
心機一転! 運送会社から警察官に
高校を卒業してからすぐに警察学校に入校する人がいる一方、別の職種を経験してから心機一転、警察官を目指す人もいる。
梅田悠貴巡査(26)は、前職では運送会社に勤めていたが、その日々を過ごす中で警察官を志した。
「日々の業務の中で交通の危険を目の当たりにすることが多かった。自分には子どもがいて、交通の危険を守るというのは子どもの危険を守るということで、子どもたちの未来を守りたいという気持ちで警察官を目指した」
そんな梅田巡査が目指す警察官像は、“親しみのある警察官”だ。
「まずは、地域の人から名前で呼んでもらえるような親しみのある警察官を目指す。色んな年代の方とコミュニケーションを取って吸収できるところは吸収して、立派な警察官になりたい」
48人それぞれの思いを胸に、卒業生たちは警察官としての一歩を歩み出した。